○司馬遼太郎『中国・江南のみち』(朝日文庫・街道をゆく19)朝日新聞社 1987.3
さあ、もうすぐ夏休み。今年の夏は江南に行く。
私はさほど熱心な司馬遼太郎ファンではないが、この「街道をゆく」のシリーズは旅の予習にちょうどいい。
もっとも本書が書かれたのは1980年代のはずだ。私は1981年に初めて中国を旅行してから、1993年に2度目の旅行をするまでの間、この司馬さんの連載を、母の買ってくる週刊朝日で読んでいた記憶がある。
最近、いろいろな事件があったからではないが文中にさりげなく描写されている、中国人ガイドさんの篤実で教養豊かな肖像が懐かしかった。ひとむかし前、旅先で出会う中国人は、大概、こんなふうだったのにな。
おもしろかったのは、特にエッセイの冒頭で、江南の民家の造りがスペインに似ている、と著者が繰り返し強調していること。確かにスペインに行ったとき、私は「ここはヨーロッパじゃない、アジアの一部だ」という感じを強く持ったものだが、家の造り、シックイ壁の色が似ているという指摘はおもしろいと思った。
旅先では気をつけて見てこよう。もっとも、そんな古い民家が今でも残っていればの話だが。
さあ、もうすぐ夏休み。今年の夏は江南に行く。
私はさほど熱心な司馬遼太郎ファンではないが、この「街道をゆく」のシリーズは旅の予習にちょうどいい。
もっとも本書が書かれたのは1980年代のはずだ。私は1981年に初めて中国を旅行してから、1993年に2度目の旅行をするまでの間、この司馬さんの連載を、母の買ってくる週刊朝日で読んでいた記憶がある。
最近、いろいろな事件があったからではないが文中にさりげなく描写されている、中国人ガイドさんの篤実で教養豊かな肖像が懐かしかった。ひとむかし前、旅先で出会う中国人は、大概、こんなふうだったのにな。
おもしろかったのは、特にエッセイの冒頭で、江南の民家の造りがスペインに似ている、と著者が繰り返し強調していること。確かにスペインに行ったとき、私は「ここはヨーロッパじゃない、アジアの一部だ」という感じを強く持ったものだが、家の造り、シックイ壁の色が似ているという指摘はおもしろいと思った。
旅先では気をつけて見てこよう。もっとも、そんな古い民家が今でも残っていればの話だが。