見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

水と仏の近江/琵琶湖文化館

2004-11-16 00:05:24 | 行ったもの(美術館・見仏)
○琵琶湖文化館 特別展『フェノロサ・天心が見た近江』

http://www2.ocn.ne.jp/~biwa-bun/

 私は近江が大好きで、いつか滋賀県内に住むことが夢だ。もし大津近辺に住むことができたら、この琵琶湖文化館に毎月1度は通いたいと思っている。特別展開催中も大人300円だから、鎌倉国宝館より安い。常設展示の仏画や仏像も実にいいものを置いていて、近江の仏教文化の奥の深さを感じさせる。たぶん1年通っても見飽きないと思う。

 それにしても、初めて琵琶湖文化館のホームページを覗いてみたのだが、ちょっとコメントしかねる。いまどき、これだけ素人丸出しのページは個人サイトでも珍しいのではないかと思う(溜息)。それから、沿革を読んで、元来、ここはもっと多角経営の施設だったものが、県立近代美術館に近代絵画を移管したり、県立琵琶湖博物館に水族館部門(!)を移管したりして、今日に至っていることも分かった。古美術中心の博物館には不似合いな、湖面に張り出したお城のような不思議な建物は、かつて子供をターゲットに水族館のイメージで作られたためなのだろう。

 そんなわけで、いろいろ不幸な点もあるのだが、古美術好きなら一度行けば、間違いなく何度でも通ってみたくなる博物館だと思う。ぜひ、もう少し広報に力を入れてもらって(今のホームページをなんとかして)、この館のファンが増えることを心から望む。

 今回の企画展は、フェノロサや岡倉天心に関する近代史資料が多いのかな、と思っていったら、それも多少はあったけれど(書簡など)、むしろ、彼らの実施した滋賀県の「宝物調査」にリストアップされた寺宝類が多数展示されていた。多くは絵画である。「十六羅漢図」とか、ええと、その対面にあった「阿弥陀三尊来迎図」(?)の寒色の目立つ色彩を見ていて、近江の仏画って、中国色が強いような気がした。思い込みかしら。

 この日、直前に訪ねた油日神社の社宝「聖徳太子絵伝」があったり、昨秋、安土を歩いたときに傍を通り過ぎた桑実寺の「桑実寺縁起」があったり、知っている寺社の名前を見るとちょっとうれしい。近江もずいぶん歩いたつもりだが、まだまだ未踏の地が多い。がんばらなくちゃ。

 1階のギャラリーでは「水と仏の近江」と題した写真展が行われていて、これもなかなかの眼福だった。名前を失念したが、プロのカメラマンの方なのかしら。写真集出してくれたら買うのにな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする