○赤瀬川原平『日本男児』(文春新書) 文藝春秋 2007.6
本を読んでいると、必ずしも「当たり」ばかりではない。本書は「期待外れ」の1冊だったが、記録のために書いておく。
赤瀬川さんの本は、ずいぶん読んできた。山下裕ニさんとの「日本美術応援団」シリーズは大好きだし、『ベルリン正体不明』『ベトナム低空飛行』などのフォト紀行も好きだ。しかし、本書はちょっと感じが違った。「写真」とか「美術」のような媒介物も、「新解さん」とか「老人力」のような芸もない、きわめてストレートに思うところを述べた身辺雑記である。
女子高生の短すぎるスカートや電車の中での化粧に眉をひそめ、若い頃は強制があったほうがいいと思い、デジタルカメラに使われる人々を悲しみ、タバコや夜型生活にハマっていた「左翼」生活を、達観したように回想する。著者の主張に不同意なわけではないのだが、読んでいて面白くない。いかにも文春が好みそうな感じ。
まえがきに、本書の隠しテーマは「目からウロコ」だというけれど、ウロコが全部取れてしまうと、こんなふうに書くものが面白くなくなってしまうものなのかしら。
本を読んでいると、必ずしも「当たり」ばかりではない。本書は「期待外れ」の1冊だったが、記録のために書いておく。
赤瀬川さんの本は、ずいぶん読んできた。山下裕ニさんとの「日本美術応援団」シリーズは大好きだし、『ベルリン正体不明』『ベトナム低空飛行』などのフォト紀行も好きだ。しかし、本書はちょっと感じが違った。「写真」とか「美術」のような媒介物も、「新解さん」とか「老人力」のような芸もない、きわめてストレートに思うところを述べた身辺雑記である。
女子高生の短すぎるスカートや電車の中での化粧に眉をひそめ、若い頃は強制があったほうがいいと思い、デジタルカメラに使われる人々を悲しみ、タバコや夜型生活にハマっていた「左翼」生活を、達観したように回想する。著者の主張に不同意なわけではないのだが、読んでいて面白くない。いかにも文春が好みそうな感じ。
まえがきに、本書の隠しテーマは「目からウロコ」だというけれど、ウロコが全部取れてしまうと、こんなふうに書くものが面白くなくなってしまうものなのかしら。