見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

信越ミニ旅行(1):直江津、春日山城址

2008-06-08 23:56:03 | 行ったもの(美術館・見仏)
○直江津(御館跡、安寿と厨子王供養等、浜善光寺など)~五智国分寺~春日山城跡~高田

 たまたま金曜日の午後に外まわりの仕事が入った。ふだん定時に職場を離れることが絶望的にできない私には、絶好の遠出のチャンスである。 大宮を17時過ぎの上越新幹線で発ち、越後湯沢でほくほく線に乗り継ぎ、直江津に下り立ったのは、まだほのかに夕明かりの残る19時半過ぎ。駅前のホテルで1泊。

 昨年は、NHKの大河ドラマ『風林火山』にハマって、8月に甲府、11月に長野の川中島一帯を歩きに行った。あとは上杉謙信の春日山城を訪ねたいと思っていたのだが、季節が冬に入ってしまったので、暖かくなるのを待っていたのである。それにしても、ネットでは、いちおう「上越観光ネット」なるサイトをチェックしていたのだが、旅の行きがけに、大宮の小さな本屋で上越市の観光ガイドを探したら、ない。そもそも新潟県のガイドブックがマイナーで、置いてあったり無かったりするのだが、あっても「新潟・佐渡」が中心で、上越市なんて一切記述がないのである。かくて私は、地図も持たずに直江津に来てしまった。

 翌日は、ホテルのロビーで簡単な観光地図を入手し、これをたよりに歩き始める。直江津駅周辺~海岸の小さな史跡・寺社をめぐって歩く。それから、五智国分寺(上杉謙信が再建。古代の越後国分寺の所在地は未詳)と越後一ノ宮・居多神社を経て南下、いよいよ春日山城跡の入口にある「ものがたり館」が見えてくる。ここはパネルやビデオで春日山城跡の概要を紹介するガイダンス施設である。広場に復元された堀と土塁の上には、「竹に雀」の上杉氏の家紋の旗と「毘」の旗が、勇ましく風に翻っている。

 周辺は、傾斜地を切り開いた田園地帯。そこそこに家も連なり、時折、舗装道路を自動車やバイクが上がっていく。やがて林泉寺に到着。細い山道を塞ぐように設けられた惣門(春日山城の遺構と伝える)は、韓国のお寺に似ていると思った。謙信公の墓所に詣でる。



 林泉寺を出て、だらだら坂をしばらく上ると、長い石段の下に出る。これを一気に上ると、春日山神社。祭神は謙信公その人である。売店でいただくご朱印にも感慨あり。社殿の並びに、観光ポスターなどでよく見る謙信公の銅像があるのだが、高い石垣の上にあるので、気づかない人も多いようだ。ここから本格的な山道に分け入る。写真は、山道の入口に据付けられていた物置(?)。「毘」は泥棒除けかなあ、と思うと微笑まれる。



 慶長12年(1607)に廃城となった春日山城には、石垣、楼門などの遺構は何も残っていない(山頂付近に毘沙門堂が復元されているのみ)。アザミ咲く草地に立てられた、千貫門、直江屋敷などの説明板に往時をしのびながら、ぐんぐん上がる。山頂の本丸に着くと、はるか眼下に田園風景が開ける。絶景! なるほど、天上に舞う龍になったような気持ちである。

 景勝屋敷跡、柿崎和泉守屋敷跡などを経て、ゆるゆると山を下り、最後に埋蔵文化財センターを訪ねた。現在、2009年の大河ドラマ『天地人』放映に向けて、『越後上越上杉戦国物語展』を開催中。だが、会場に流れていたのは『風林火山』のテーマ曲。時計の針が半年ほど元に戻ったようで懐かしかった。『風林火山』の春日山城のシーンで使用された龍の床絵(壁画)も展示されている。

 夕刻、高田に着。まだ明るかったので、三重櫓で有名な高田城を見に行く。ここでもう1泊。

■参考:埋もれた古城(個人サイト):春日山城
http://www.asahi-net.or.jp/~ju8t-hnm/Shiro/Hokuriku/Niigata/Kasugayama/index.htm
 今回は、簡単な観光マップに従って1周しただけだが、歩けば歩くほど奥深そう。しかし、こんな壮大な山城が日本にあったなんて、本当にびっくりした。ヨーロッパの修道院を思わせるところもある。
コメント
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