○北野天満宮:終い天神+宝物殿
天満宮の縁日(毎月25日)の中でも最も賑わうという「終い天神」へ。まあ賑わうと言っても午後からだろうなあ、と思いながら、様子を見ようと昼前に到着。すると、すでに参道は人でぎっしりだった。すごい! バス通りから楼門までの参道は、たこ焼き、焼そば、ベビーカステラなど食べもの屋の露店が中心。干し柿、漬け物、コンニャクなど、関東ではあまり見ないお店があるのが、もの珍しくて楽しい。刃物や箸、お椀、正月飾りのお店も混じる。
参拝を済ませて、宝物殿(毎月25日開館)を見ていくことにする。終い天神なので、『北野天神縁起絵巻』(承久本)のホンモノが出ていないかな?と期待したのである。展示品の冒頭に「国宝・北野天神縁起絵巻」というキャプションがついていたので、一瞬、やった!本物?と思ったが、かすかな違和感がある。巻末まで見ていったら「…承久本をデジタルアーカイブしたものです。奉納 日本ヒューレッド・パッカード社」という札が付いていた。しかし、え、今日はこの札、外し忘れているんじゃないの?と悩むくらい、よく出来た複製である。念のため、入口の職員の方に確かめたら「複製です」とおっしゃっていたし、館外の看板にも、複製だか模本だかの注記が付いていた。
来年の干支にふさわしいのは、海北友松筆『雲龍図』。この龍は、出っ歯で団子鼻で顎がしゃくれていて、御世辞にも美形とはいえないけど、愛嬌はある。富岡鉄斎筆『渡唐天神図』は、伝統的な図様に則り、しかも伝統以上の魅力がある。長谷川等伯筆の絵馬『昌俊弁慶相騎図』は、毛むくじゃらの大男二人(一人は大鎧、一人は毛脛丸出しの着流し)が一頭の黒馬に相乗りする図で、かなりマッチョな等伯(69歳当時)作品である。
さて、脇の東門から出てみると、境内の外側の通りも、お店でいっぱいだった。西陣らしく、古着の着物や帯、端切れ、足袋などの和装小物を扱うお店が多く、お客さんがけっこう本気で買い込んで行く。またニットやフォークロア調のストール、帽子、バッグなども多数。表参道には少なかった骨董のお店も、ゆっくり見られるこのへんのほうが多い。
いいものがあれば買ってもいいと思っていたが、安っぽい近現代ものが多くて、なかなかこれという品物がない。やっぱり露店市はこんなものかなーと思っていたら、ある店で、近江八景(たぶん)を描いた、少し大きめの八角形のお皿が目に飛び込んできた。しみじみ眺めて、これはいい、と思ったが、小さな値札をよく見たら「25,000円」とあった。うーむ。私の行動基準では、衝動買いはちょっと無理…かなり葛藤した末に、結局、諦めた。骨董三昧に本格参入するのは、まだ先でいいと思っている(定年後の楽しみ)。でも、初めての露店市で、それなりにいいものを見つけることのできた自分に少し満足。
西陣らしい華やかな帯の店。
道端に凶器が平然と並んでいる…。平和だなあ、ニッポン。
関東人には珍しい、京都風の正月飾り。※東京の飾りは、海老だの扇だの紅白の御幣だのが付いているのが普通。
結局、買ったもの。
大小の塗り碗(100円×2)。毎日のご飯もこれで食べようかと。塗りが剥げて、味が出るまで使ってみたい。天神さん人形は、神棚がないので、今、キッチンのレンジフードの上に鎮座してもらっている。
天満宮の縁日(毎月25日)の中でも最も賑わうという「終い天神」へ。まあ賑わうと言っても午後からだろうなあ、と思いながら、様子を見ようと昼前に到着。すると、すでに参道は人でぎっしりだった。すごい! バス通りから楼門までの参道は、たこ焼き、焼そば、ベビーカステラなど食べもの屋の露店が中心。干し柿、漬け物、コンニャクなど、関東ではあまり見ないお店があるのが、もの珍しくて楽しい。刃物や箸、お椀、正月飾りのお店も混じる。
参拝を済ませて、宝物殿(毎月25日開館)を見ていくことにする。終い天神なので、『北野天神縁起絵巻』(承久本)のホンモノが出ていないかな?と期待したのである。展示品の冒頭に「国宝・北野天神縁起絵巻」というキャプションがついていたので、一瞬、やった!本物?と思ったが、かすかな違和感がある。巻末まで見ていったら「…承久本をデジタルアーカイブしたものです。奉納 日本ヒューレッド・パッカード社」という札が付いていた。しかし、え、今日はこの札、外し忘れているんじゃないの?と悩むくらい、よく出来た複製である。念のため、入口の職員の方に確かめたら「複製です」とおっしゃっていたし、館外の看板にも、複製だか模本だかの注記が付いていた。
来年の干支にふさわしいのは、海北友松筆『雲龍図』。この龍は、出っ歯で団子鼻で顎がしゃくれていて、御世辞にも美形とはいえないけど、愛嬌はある。富岡鉄斎筆『渡唐天神図』は、伝統的な図様に則り、しかも伝統以上の魅力がある。長谷川等伯筆の絵馬『昌俊弁慶相騎図』は、毛むくじゃらの大男二人(一人は大鎧、一人は毛脛丸出しの着流し)が一頭の黒馬に相乗りする図で、かなりマッチョな等伯(69歳当時)作品である。
さて、脇の東門から出てみると、境内の外側の通りも、お店でいっぱいだった。西陣らしく、古着の着物や帯、端切れ、足袋などの和装小物を扱うお店が多く、お客さんがけっこう本気で買い込んで行く。またニットやフォークロア調のストール、帽子、バッグなども多数。表参道には少なかった骨董のお店も、ゆっくり見られるこのへんのほうが多い。
いいものがあれば買ってもいいと思っていたが、安っぽい近現代ものが多くて、なかなかこれという品物がない。やっぱり露店市はこんなものかなーと思っていたら、ある店で、近江八景(たぶん)を描いた、少し大きめの八角形のお皿が目に飛び込んできた。しみじみ眺めて、これはいい、と思ったが、小さな値札をよく見たら「25,000円」とあった。うーむ。私の行動基準では、衝動買いはちょっと無理…かなり葛藤した末に、結局、諦めた。骨董三昧に本格参入するのは、まだ先でいいと思っている(定年後の楽しみ)。でも、初めての露店市で、それなりにいいものを見つけることのできた自分に少し満足。
西陣らしい華やかな帯の店。
道端に凶器が平然と並んでいる…。平和だなあ、ニッポン。
関東人には珍しい、京都風の正月飾り。※東京の飾りは、海老だの扇だの紅白の御幣だのが付いているのが普通。
結局、買ったもの。
大小の塗り碗(100円×2)。毎日のご飯もこれで食べようかと。塗りが剥げて、味が出るまで使ってみたい。天神さん人形は、神棚がないので、今、キッチンのレンジフードの上に鎮座してもらっている。