○Fantasy on Ice 2015 in 神戸(2015年7月5日13:00~)
ファンタジー・オン・アイス2015年ツアーの掉尾を飾る神戸公演の千秋楽を、週末トンボ返りで見て来た。今年は、幕張・静岡・金沢・神戸の4ヶ所で3公演ずつ。主要な出演者(スケーター)はほぼ不動なのだが、ゲストアーティストが前半(幕張、静岡)と後半(金沢、神戸)で入れ替わる。どちらも見たいな、と思いながら、ともかくチケット争奪戦が熾烈で、幕張2公演を取った時点で、後半はあきらめていた。
ところが、幕張公演のパンフレットに載っていたステファン・ランビエールのインタビューで、彼が後半、ソプラニスタ岡本知高さんの生歌で「誰も寝てはならぬ」を滑る予定にしていることが判明。これは見たい…聴きたい…見逃がしたら一生後悔するに違いない、ということで、チケット売買サイトを利用し、SS席を本来の倍額+αで手に入れた。
土曜日、昼夜2公演の情報をtwitterでチェックしながら関西入り。日曜はパンフレットを確実に購入するため、早めに会場の神戸ワールド記念ホールに到着。ステージからは少し遠いが、幕張の2公演に比べてリンクに近く、スケーターの表情がよく分かる良席だった。
ハイレベルな一芸が次々に繰り出されるオープニング(羽生くんも宇野昌磨くんも4T←いまいち判別がついていないので、他人に教えられるまま)のあとは、一番手が青木祐奈ちゃん、上品なタイスの瞑想曲。二番手がトマシュ・ベルネル。あまりにも普通にイケメンで、一挙一動に見とれる。私、初めて見るかと思ったら、2010年のファンタジー・オン・アイスで見ていた。このショーは、毎年あまりにも豪華すぎて、初心者にはとても消化しきれないのだ。
次、早くもピアニスト福間洸太朗さんとのコラボで、鈴木明子ちゃんの「月の光」。ピアノ演奏のあるアイスショーいいわー。それから、ジュベールの「Time」、ジョニーの「カルメン」、織田くん「リバーダンス」、ハビエルの帽子プロ。このへんは幕張と同じだが、何度見ても新鮮な感動。前半の見どころのひとつは、フィリップ・キャンデロロの「三銃士」。動画では何度か見ているけど。生では初見。嬉しいなー。
前半のステファン・ランビエールは、ピアニストの福間さんとのコラボで、ラフマニノフの「プレリュード」。息をするのを忘れるくらいの美しさ。金ボタンの並んだ制服みたいな衣装(背中にファスナーあり)も素敵だった。「より早く、より高く」みたいなアスリート感覚とは別次元で滑っていて、ふわっとゆっくり身体を動かすときの一瞬が、永遠を感じさせる。人間とは違う何か別の存在が氷上で踊っているみたい。
その直後に羽生結弦くんの「SEIMEI」。正直、動画を見て微妙な感じがしていたのだが、悪くなかった。リンクのそれぞれの隅でジャンプをするのが、四方を踏み固めて国土の安寧を祈る呪術みたいで面白かった。まだジャンプには失敗もあったが、力強く進化中と見た。しかし、90年代には岡野玲子のマンガ『陰陽師』がブームとなり、2000年代に制作された映画主演の野村萬斎もよかったが、新しい安倍晴明の誕生が嬉しくて、にやにやしてしまう。
ペアのデュハメル&ラドフォード組を挟み(幕張に比べるとペア演技が少なかった)、前半のトリはプルシェンコ「トスカ」。バイオリン奏者マートンとの共演を見るのは初めてなので、思い入れたっぷりの演奏スタイルのマートンも見ていたいけど、プルシェンコのステップも見逃すわけには行かず、目が右往左往してしまった。
ここで休憩。後半の先陣は宇野昌磨くん。この曲、好きだ。どんどん大人っぽく男らしくなっていくのが眩しい。織田信成くんは、スターウォーズのダースベイダーのテーマ曲で登場。黒マントを翻し、ライトサーベルをカッコよく振り回していたが、途中で曲が転調(?)すると、一転してコミカルな演技に。とっても楽しい。
サラ・オレインさんとのコラボは、トマシュ・ベルネルが「Dream As One」、ジョニー・ウィアーが「You raise me up」、ブライアン・ジュベールは、岡本知高さん&サラさんのデュエットとの共演で「Time to say Goodbye」。どれもスケーターの個性に合っていて、スケーターがみんな楽しそうな笑顔で滑っていたので、見ている方も幸せになる。特にジュベールにはノックアウトされた。そんなに好きなタイプのスケーターじゃないと思っていたのに、自分の心変わりにうろたえる。
いろいろ省略して、いよいよ岡本知高さんの生歌「誰も寝てはならぬ(ネッスンドルマ)」によるランビエールの演技。ジャンプの失敗があって、完璧とは言えなかったが、素晴らしかった。最後のスピン! オペラの舞台なら「ブラボー!」の声援が四方から飛ぶところだ。プルシェンコの「カルミナ・ブラーナ」は、幕張に比べるとだいぶ進化した感じが嬉しかった。大トリは羽生くん「天と地のレクイエム」。新しいエキシビションナンバーだというが、とてもパセティック。表現しようとしているものは重いが、心身の充実している今だからこそできるプログラムかもしれない。
フィナーレは、岡本知高さんの生歌でボレロ。ラベンダー色の布を、思い思いのかたちではためかせながら、スケーターたちが入場してくる演出は素晴らしかった。恒例のジャンプ&スピン大会は、楽公演の開放感か、いつもに増してフリーダム。でも織田くん、宇野くん、ハビエル、ステファンなど、決めるジャンプは決める。
最後はまた羽生くんのチャレンジかと思っていたら、マイクを取って「今日はジャンプ跳びません」と発言。そのかわり、今日はコラボプロがなかったので、最後に福間さんとコラボします、と聞いて(期待に)ざわつく場内。ショパンのバラード1番が鳴り始めたときは悲鳴みたいな歓声が。最後のステップ部分だけだったけど、ものすごい贅沢をいただきました。また来年ね。
ファンタジー・オン・アイス2015年ツアーの掉尾を飾る神戸公演の千秋楽を、週末トンボ返りで見て来た。今年は、幕張・静岡・金沢・神戸の4ヶ所で3公演ずつ。主要な出演者(スケーター)はほぼ不動なのだが、ゲストアーティストが前半(幕張、静岡)と後半(金沢、神戸)で入れ替わる。どちらも見たいな、と思いながら、ともかくチケット争奪戦が熾烈で、幕張2公演を取った時点で、後半はあきらめていた。
ところが、幕張公演のパンフレットに載っていたステファン・ランビエールのインタビューで、彼が後半、ソプラニスタ岡本知高さんの生歌で「誰も寝てはならぬ」を滑る予定にしていることが判明。これは見たい…聴きたい…見逃がしたら一生後悔するに違いない、ということで、チケット売買サイトを利用し、SS席を本来の倍額+αで手に入れた。
土曜日、昼夜2公演の情報をtwitterでチェックしながら関西入り。日曜はパンフレットを確実に購入するため、早めに会場の神戸ワールド記念ホールに到着。ステージからは少し遠いが、幕張の2公演に比べてリンクに近く、スケーターの表情がよく分かる良席だった。
ハイレベルな一芸が次々に繰り出されるオープニング(羽生くんも宇野昌磨くんも4T←いまいち判別がついていないので、他人に教えられるまま)のあとは、一番手が青木祐奈ちゃん、上品なタイスの瞑想曲。二番手がトマシュ・ベルネル。あまりにも普通にイケメンで、一挙一動に見とれる。私、初めて見るかと思ったら、2010年のファンタジー・オン・アイスで見ていた。このショーは、毎年あまりにも豪華すぎて、初心者にはとても消化しきれないのだ。
次、早くもピアニスト福間洸太朗さんとのコラボで、鈴木明子ちゃんの「月の光」。ピアノ演奏のあるアイスショーいいわー。それから、ジュベールの「Time」、ジョニーの「カルメン」、織田くん「リバーダンス」、ハビエルの帽子プロ。このへんは幕張と同じだが、何度見ても新鮮な感動。前半の見どころのひとつは、フィリップ・キャンデロロの「三銃士」。動画では何度か見ているけど。生では初見。嬉しいなー。
前半のステファン・ランビエールは、ピアニストの福間さんとのコラボで、ラフマニノフの「プレリュード」。息をするのを忘れるくらいの美しさ。金ボタンの並んだ制服みたいな衣装(背中にファスナーあり)も素敵だった。「より早く、より高く」みたいなアスリート感覚とは別次元で滑っていて、ふわっとゆっくり身体を動かすときの一瞬が、永遠を感じさせる。人間とは違う何か別の存在が氷上で踊っているみたい。
その直後に羽生結弦くんの「SEIMEI」。正直、動画を見て微妙な感じがしていたのだが、悪くなかった。リンクのそれぞれの隅でジャンプをするのが、四方を踏み固めて国土の安寧を祈る呪術みたいで面白かった。まだジャンプには失敗もあったが、力強く進化中と見た。しかし、90年代には岡野玲子のマンガ『陰陽師』がブームとなり、2000年代に制作された映画主演の野村萬斎もよかったが、新しい安倍晴明の誕生が嬉しくて、にやにやしてしまう。
ペアのデュハメル&ラドフォード組を挟み(幕張に比べるとペア演技が少なかった)、前半のトリはプルシェンコ「トスカ」。バイオリン奏者マートンとの共演を見るのは初めてなので、思い入れたっぷりの演奏スタイルのマートンも見ていたいけど、プルシェンコのステップも見逃すわけには行かず、目が右往左往してしまった。
ここで休憩。後半の先陣は宇野昌磨くん。この曲、好きだ。どんどん大人っぽく男らしくなっていくのが眩しい。織田信成くんは、スターウォーズのダースベイダーのテーマ曲で登場。黒マントを翻し、ライトサーベルをカッコよく振り回していたが、途中で曲が転調(?)すると、一転してコミカルな演技に。とっても楽しい。
サラ・オレインさんとのコラボは、トマシュ・ベルネルが「Dream As One」、ジョニー・ウィアーが「You raise me up」、ブライアン・ジュベールは、岡本知高さん&サラさんのデュエットとの共演で「Time to say Goodbye」。どれもスケーターの個性に合っていて、スケーターがみんな楽しそうな笑顔で滑っていたので、見ている方も幸せになる。特にジュベールにはノックアウトされた。そんなに好きなタイプのスケーターじゃないと思っていたのに、自分の心変わりにうろたえる。
いろいろ省略して、いよいよ岡本知高さんの生歌「誰も寝てはならぬ(ネッスンドルマ)」によるランビエールの演技。ジャンプの失敗があって、完璧とは言えなかったが、素晴らしかった。最後のスピン! オペラの舞台なら「ブラボー!」の声援が四方から飛ぶところだ。プルシェンコの「カルミナ・ブラーナ」は、幕張に比べるとだいぶ進化した感じが嬉しかった。大トリは羽生くん「天と地のレクイエム」。新しいエキシビションナンバーだというが、とてもパセティック。表現しようとしているものは重いが、心身の充実している今だからこそできるプログラムかもしれない。
フィナーレは、岡本知高さんの生歌でボレロ。ラベンダー色の布を、思い思いのかたちではためかせながら、スケーターたちが入場してくる演出は素晴らしかった。恒例のジャンプ&スピン大会は、楽公演の開放感か、いつもに増してフリーダム。でも織田くん、宇野くん、ハビエル、ステファンなど、決めるジャンプは決める。
最後はまた羽生くんのチャレンジかと思っていたら、マイクを取って「今日はジャンプ跳びません」と発言。そのかわり、今日はコラボプロがなかったので、最後に福間さんとコラボします、と聞いて(期待に)ざわつく場内。ショパンのバラード1番が鳴り始めたときは悲鳴みたいな歓声が。最後のステップ部分だけだったけど、ものすごい贅沢をいただきました。また来年ね。