〇補陀落山六波羅蜜寺 国宝秘仏十一面観世音菩薩御開帳(2024年11月3日~12月5日)
今回の関西旅行の最大の目的はこれ。12年に一度の辰年には、ご本尊十一面観世音菩薩のご開帳が行われるのである。初日の11月3日は、午前9時から開扉法要、さらに午前10時から開白法要が行われ、先着500名は「淵龍」の護符がいただけるというので、8:20頃には現地に到着した。ところが、すでに門前には大行列。南門から北へ並んだ列は、松原通りで南へ折り返している。私はこの2折目に並んだが、あっという前に再び折り返した列が北へ伸びて行った。「いま何名くらいですか?」と気にするお客さんもいたが、列の整理に当たっていたお寺の方は「すみません、もう数えられなくて」と答えるばかり。
8:30頃にアナウンスと太鼓の音がして、先頭の一団が境内へ入っていくのが見えた。順番に列が進んだものの、私は松原通りに近いあたりで止まってしまった。今頃、お厨子の扉が開いているのかなあ…と思いながら、50メ-トルほど先の境内の様子は全く窺えず。9:20頃にようやく再び列が動き出し、南門を入って正面の弁天堂で「淵龍」の護符をいただけたのは10:00近くだった。今年の「淵龍」は白色。私は12年前に紫色、24年前に緑色をいただいている。検索したら12年前の護符の写真を掲載していたので、今回の護符も記録しておこう。
ちなみに旅行の直前、友人と飲む機会があって、六波羅蜜寺の辰年ご開帳の話をしたら「たぶん24年前に一緒に行きましたよ」と言われてびっくりしてしまった。私の見仏歴も長くなったものである。
拝観料はいつどこで支払うんだろうと思っていたら、無料で境内に入れてもらえた。そして本堂の前に10数名ずつ区切って並ばされ、順番にお堂に上がる。スタッフの方々は、背中に空也上人のシルエット入りのちゃんちゃんこを着ていらした。
ご本尊の厨子の前でお焼香(1回にしてください、との指示)をしたら退出。システマティックな誘導で感心したが、ご本尊のお姿を拝めたのは数分程度。内陣では読経が行われていたが、気にするヒマもなかった。御朱印には長い列ができていたのであきらめる。
いや~でもここのご本尊は大好きなので、なんとかご開帳中にもう一度来て、ゆっくりお姿を眺めたい。12年前も24年前も(初日でなかったからか?)こんな騒ぎではなかったのだ。
一方で、お厨子の中の観音様の気持ちを想像してみると、12年ぶりの世の中、まあまあ平穏そうで、安堵されたのではないかと思う。誰も神仏の参拝に来られないような、厳しい状況になっていなくて。次の12年後はどんな世の中になっているのだろう。そして私は参拝に来られるといいなあ。