MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500
400位-381位
☆400位☆
Disco Baby/Van McCoy & The Soul City Symphony (1975)
ディスコ・ベイビー/バン・マッコイ&ソウル・シティ・シンフォニー
70年代ディスコ・クラシック「ハッスル」でお馴染みの重鎮バン・マッコイの、その「ハッスル」を含む出世作。アトコでのリーダー・アルバムとしては2枚目だが、「ハッスル」以外はほとんど当時のヒット曲のインスト・カバーで、悪くはないが、やっぱり「ハッスル」になってしまうのだ。とにかく「ハッスル」当時も今も素晴らしい名曲。バン・マッコイはもっと評価されるべき。
☆399位☆
Wish You Were Here/Punk Floyd (1975)
炎~あなたがここにいてほしい/ピンク・フロイド
本作より、アルパムのコンセプトが分かりやすくなった。「ようこそマシーンへ」や「葉巻はいかが」では、物質社会やショービジネスを皮肉ったかと思えば、「狂ったダイアモンド」では、バンドの創始者シドへの複雑な思いを歌っている。この曲のギターも名演。全体的にアレンジもすっきりした感があり、プログレの転換期が来ている事を、彼らも感じていたのだろう。
☆398位☆
Second Helping/Lynyrd Skynyrd (1974)
セカンド・ヘルピング/レーナード・スキナード
間違いなくレーナード・スキナードの代表作であろう。「スイート・ホーム・アラバマ」「ワーキン・フォー・MCA」「コール・ミー・ザ・ブリーズ」などの有名曲を含み、豪快な演奏にキャッチーな楽曲という、サザン・ロックのプロト・タイプのようなアルバム。レーナードのファンでなくても、アメリカン・ロック好きなら必携の一枚である。
☆397位☆
Tubular Bells/Mike Oldfield (1973)
チューブラー・ベルズ/マイク・オールドフィールド
気の遠くなるようなダビングを重ねてマイク・オールドフィールドが完成させたシンフォニックな世界は、緻密ながらも解釈の自由度は広く、見た目はロックではないかもしれないが、その精神は間違いなくロックであり、こういう作品が生まれてくるロックという音楽の裾野の広さを世間に知らしめる事になった傑作である。『エクソシスト』に使われた事で、イメージが固定されているのが残念。
☆396位☆
The First Songs/Laura Nyro (1973)
ファースト・ソングス/ローラ・ニーロ
1967年にローラがヴァーブから出した1stが、後年コロンビアから再発された。BS&T、フィフス・ディメンション、バーブラ・ストライザンドら、他者がカバーしてヒットさせた曲が多く、デモ曲のショーケースのように言われていた事もあるらしい。確かに、聴きやすい曲が多く、グレイテスト・ヒッツ的な趣も感じられたりする。新人のデビュー作と思うと、空恐ろしい。
☆395位☆
Living In The Material World/Goerge Harrison (1973)
リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド/ジョージ・ハリスン
本作からも「ギブ・ミー・ラブ」の全米No.1ヒットが出た事もあり、ジョージの代表作のひとつと言っていいだろう。ジョージ本来と思われる、優しげな世界である。神をテーマにした歌も多く、まだ宗教色の強いアルバムと言われているが、音を聴いてる分にはあまり気にならない。ジェシ・エド・デイビスに提供した「スー・ミー・スー・ユー・ブルース」など名曲も多い。
☆394位☆
Don't Shoot Me I'm Only The Piano Player/Elton John (1973)
ビアニストを撃つな!/エルトン・ジョン
初の全米No.1ヒット「クロコダイル・ロック」を収録したベスト・セラー・アルバム。この曲の他「ダニエル」「先生のお気に入り」「ハイ・フライング・バード」「ベイビーと僕のためのブルース」等々エルトンとバーニーの創作意欲が頂点にあった事を窺わせる充実したナンバーが並ぶ。とにかく勢いもあり、一気に聴けるアルバムである。
☆393位☆
Meddle/Pink Floyd (1971)
おせっかい/ピンク・フロイド
B面全部を使った大作「エコーズ」が収録されている事で有名だが、この曲も素晴らしいが、A面の作品集も捨てがたい。不穏なインストの「吹けよ風、呼べよ嵐」、ゆったりとした「フィアレス」などが聴き物。アコースティックな雰囲気で初期のアルバムを連想させたりもする。愛犬の名前を曲のタイトルにするなど、パーソナルな一面も窺える。
☆392位☆
In The Court Of The Crimson King/King Crimson (1969)
クリムゾン・キングの宮殿/キング・クリムゾン
好みはともかく、ロック史に重大な足跡を残したアルバムと言っていい。ロックを志向する者なら、聴いてませんとは言わせないアルバムでもある。どうしてもひたすら前衛的な「21世紀の精神異常者」のインパクトが強いが、個人的には、本作は「風に語りて」と「エピタフ」の2曲がすべて。この時期のクリムゾンは叙情派プログレだったと思っている。
☆391位☆
Good Bye/Cream (1969)
グッバイ・クリーム/クリーム
タイトル通りクリームのラスト・アルバム。ライブ・テイクとスタジオ録音の新曲という構成だが、その新曲がジョージ・ハリスンとの共作の「バッジ」、少々変わったポップソング「スクラップヤード」、哀愁漂う「ホワット・ア・ブリングダウン」と、グレードの高い名曲ばかり。正に有終の美という言葉がふさわしい傑作である。
☆390位☆
Night Ride Home/Joni Mitchell (1991)
ナイト・ライド・ホーム/ジョニ・ミッチェル
80年代以降の特徴である、ジョニ・ミッチェル風AOR路線のアルバムであるが、独特の浮遊感のあるコード進行やジャズへの接近を考えると、こういう方向に向かうのは当然のこと。AOR風とは言え、一般的なイメージのAORとはひと味もふた味も違う。あくまでも優しいサウンドをバックに、ジョニの歌とアコギの響きが聴く者を包み込む。素晴らしい。
☆389位☆
Farewell Tour/The Doobie Brothers (1983)
フェアウェル・ツアー・ライブ/ドゥービー・ブラザーズ
1982年、ドゥービーは解散ツアーを行った。その時の模様を僕は映像で見た。いかにも陽気なアメリカンというノリのコンサートで、解散するバンドとは思えない和気藹々とした雰囲気だった。ライブ盤でも、その雰囲気は味わえる。が、映像とは曲目が全く同じという訳ではなく、映像で見れた「スイート・マキシン」がないのは残念。
☆388位☆
Stay With Me Tonight/Jeffrey Osborne (1983)
ステイ・ウィズ・ミー・トゥナイト/ジェフリー・オズボーン
この頃既にソウルはブラコンになっていた。元LTDのジェフリー・オズボーンもこの流れに乗ったシンガーだと思うが、ウィキペディアのブラコンの代表的ミュージシャンには名前がない。アメリカ音楽界の裾野の広さを思い知る。実力あるし、ジョージ・デュークのプロデュースによる本作も力作なのに。ブライアン・メイが2曲でギター弾いてるのが意外な聴き物。
☆387位☆
Seven And The Ragged Tiger/Duran Duran (1983)
セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー/デュラン・デュラン
本作で、デュラン・デュランはダンス系とは違う世界を志向した。シンセを全面に出し、一種幻想的な世界を作り出したのだ。3作目でここまでの境地に到達したのは驚異的。作曲能力の高さを改めて見せつけたとも言える。「リフレックス」が初の全米No.1になったが、アルバム・バージョンよりシングル・ミックスの方が遙かにカッコいい。
☆386位☆
The Best Of "3 Dog Night"/Three Dog Night (1982)
(日本未発売)
スリー・ドッグ・ナイトもまた70年代ポップスを語る時、忘れてはならない。70年代前半、3曲の全米No.1を放ち、押しも押されもせぬヒット・メーカーだった。今風に言うとカバーヒットばかりなのだが、良い曲を楽しく聴かせる術に長けているし、無名だけど才能あるソング・ライターたちを世に知らしめたのも素晴らしいことだ。本ベスト盤に「美しき人々」がないのは残念だが。
☆385位☆
Greatest Hits, Vol.2/Chicago (1981)
グレーテスト・ヒッツ/シカゴ
とにかくジャケットがいい。選曲もいい。70年代前半と80年代のそれぞれの絶頂期に挟まれた時期の曲が大半である。確かに、この時期シカゴはチャート上では低迷していた時もあった。が、それは作品の質の低下によるものではない、というのは本作を聴けばよく分かる。不運な数年間ではあったけど、シカゴは頑張っていたのだ。
☆384位☆
Evolution/Journey (1979)
エヴォルーション/ジャーニー
前作よりライトになった感はあるが、引き続きプロデュースはロイ・トーマス・ベイカー。メンバーは彼のやり方に不満があったらしいが。またしてもアカペラで繋ぐパターンの「ラビン・タッチン・スクイージン」~「エンジェルの街」が素晴らしい。ライブの定番だった「トゥー・レイト」、どことなく中途半端な曲だがカッコいい「レディ・ラック」も聴き物。
☆383位☆
London Town/Paul McCartney & Wings (1978)
ロンドン・タウン/ポール・マッカートニー&ウィングス
アメリカを制覇したポールいやウィングスが、イギリス人としてのアイデンティに立ち返った、と言われる一枚。全体的に英国らしいウェットな雰囲気があり、そこがまた良いのである。冒頭を飾るタイトル曲は隠れた名曲。全米No.1の「しあわせの予感」は是非アルバム・バージョンで聴いて欲しい。シングルは短くてすぐ終わってしまって物足りない。
☆382位☆
Here And There/Elton John (1976)
ヒア・アンド・ゼア/エルトン・ジョン
エルトン通算2作目のライブ盤。A面はロンドン、B面はニューヨークでの音源。静かに盛り上がるA面、熱狂的なB面、お国柄の違いが見えて面白い。ほぼベスト的な選曲で、個人的には「クロコダイル・ロック」も「ロケット・マン」も「スカイライン・ピジョン」も、このライブ盤で初めて聴いたので、非常に感慨深いものがある。
☆381位☆
Phiysical Graffiti/Led Zeppelin (1974)
フィジカル・グラフィティ/レッド・ツェッペリン
ヘヴィ・メタリックな本作では、「カシミール」の人気が高いが、個人的には「カスタード・パイ」「聖なる館」「ワントン・ソング」「シック・アゲイン」といったファンキーでメタリックなナンバーが聴ける重要な一枚。箸休め的なアコースティックな曲も、それなりに面白いが。ロールすることなくロックする姿勢が結実した傑作と言える。
次回は、380位-361位です^^