MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500
380位-361位
☆380位☆
Burn/Deep Purple (1974)
紫の炎/ディープ・パープル
タイトル曲は現在でも、ヘビー・メタルの古典的アンセムとして圧倒的支持を集めているが、それ以外の曲では、新加入のカバーデイル&ヒューズの持ち味を生かしたブルージーでファンキーなハードロックを志向し、自らが作り上げた様式からの脱却をいとも簡単に果たしている。パープルは単なるお子様向けのハードロック・バンドではないことを証明した重要作。
☆379位☆
The Lexicon Of Love Ⅱ/ABC (2016)
(日本未発売)
ニュー・ロマンティックを代表する名盤である1stの続編的なタイトルとジャケットだが、内容はそういう感じではない。復活以降のABCの特徴である、洗練されたゴージャスな、かといってAORではないロック。昔の名前としては、アン・ダッドリーがあるくらい。良いアルバムであるが、1stの続編を期待すると肩透かしを食うかも。
☆378位☆
Ricky Martin/Ricky Martin (1999)
リッキー・マーティン~ヒア・アイ・アム/リッキー・マーティン
1999年初夏に初めてアメリカに行った時、ラジオで「リビン・ラ・ビダ・ロカ」がヘビロテだった。その時は曲名も何も知らなかったが、インパクトは強烈だった。リッキー・マーティンはスペインのアイドル・グループ出身らしい。本作はデズモンド・チャイルドのプロデュース。歌詞やサウンドにラテンやヒスパニックの香りを漂わせ、エキゾチックに仕上げて成功している。
☆377位☆
A Few Small Repairs/Shawn Colivin (1996)
ア・フュー・スモール・リペアーズ/ショーン・コルビン
本作収録の「サニー・ケイム・ホーム」がグラミーを獲るまで、この人の事は知らなかったが、80年代から活動していたそうな。アコースティックな音作りに物語性の強い歌、という印象。が、決してフォーク調ではなく、ロックな志向も垣間見せる。「サニー・ケイム・ホーム」は名曲だが、その他の曲もグレード高い。ジャケットも惹かれるものがある。
☆376位☆
Pulp Fiction -Original Soundtrack (1994)
パルプ・フィクション/オリジナル・サウンドトラック盤
奇才タランティーノ監督の大傑作のサントラ。既成曲ばかりだが、この人の独特の選曲センスが遺憾なく発揮されて楽しい。冒頭に流れる「ミザルー」で、時ならぬサーフ・ブームを巻き起こしたとも言われた。個人的には、トラボルタとユマ・サーマンが酒場でツイストを踊るシーンで流れたチャック・ベリーの「ユー・ネバー・キャン・テル」がベスト。
☆375位☆
Extreme Ⅱ Pornograffittti/Extreme (1990)
ポルノグラフィティ/エクストリーム
バン・ヘイレン風ハード・ロック・バンドとしてデビューしたエクストリームだが、この2ndではファンキーなテイストを加えて独自のハード・ロックを確立した。箸休め的な「モア・ザン・ワーズ」が大ヒットしてしまった為、世間のイメージとは違うかもしれないが、本作は実に爽快なハード・ロック・アルバムである。ヌーノの才能が炸裂しているが、メンバーも見事に応えている。
☆374位☆
The First Of A Million Kisses/Fairground Attraction (1988)
ファースト・キッス/フェアグラウンド・アトラクション
突如現れたネオアコ系というか、アコースティックなサウンドとエディ・リーダーのボーカルが心地良い、正に"癒やし系"と呼んでいいのでは。メンバーのマーク・E・ネビンが手がけるオリジナル曲も、フックが効いて親しみやすい。なんとなくトラッドやケルトの雰囲気が感じられるのも、イギリスならでは。邦題もなかなか良いセンスと思う。
☆373位☆
Romance 1600/Sheila E (1985)
ロマンス1600/シーラ・E
一曲目の「シスター・フェイト」がとにかく衝撃的。その勢いで最後まで聴いてしまうアルバム。きらびやかなパーカション群とリフレインの多い曲調が演出するラテン風ブラックなダンス・ミュージックの世界は、プリンスの影響大とはいえ、シーラ・E独特のものではなかろうか。インスト「真夏の気狂いピエロのスピードに感謝」が凄いが、ラストのソウル・バラード風も良い。
☆372位☆
Invasion Of Your Privacy/Ratt (1985)
インベイジョン・オブ・ユア・プライバシー/ラット
闇を切り裂く「ユア・イン・ラブ」のリフが衝撃的。LAメタルの雄ラットは、2ndで一段とスケール・アップした姿を世間に見せつけた。「レイ・イット・ダウン」をはじめとする収録曲も充実した佳曲揃いで、ラット独特のノリも存分に堪能出来る。LAメタルに分類されてはいたが、ラットはメタルというよりキッス直系のハード・ロック・バンドであると、改めて思う。
☆371位☆
The Lockdown Sessions/Elton John (2021)
ロックダウン・セッションズ/エルトン・ジョン
タイトル通り、コロナ禍で制作されたアルバム。新旧織り交ぜた多彩な顔ぶれと共演しており、かつての『デュエット・ソングス』のようなコンセプトの作品と言っていいかも。エルトンの自作曲は少ないが、収録曲はどれも素晴らしい。ベスト・トラックは、やはりデュア・リパと共演しペナウがリミックスした「コールド・ハート」に尽きる。
☆370位☆
Rocketman -Original Soundtrack- (2019)
ロケットマン/オリジナル・サウンドトラック盤
エルトンの自伝映画は、タロン・エガートンの熱演もあり、非常に素晴らしい出来映えとなった。ジャイルズ・マーティンのプロデュースで、タロンが歌うエルトンの名曲たちが、これまた素晴らしい。さらに素晴らしいのは、エンド・ロールで流れる、タロンとエルトンの共演による新曲「(アイム・ゴナ)ラブ・ミー・アゲイン」。こんな曲がまだ書けるエルトンが凄い。
☆369位☆
Sing Street -Original Soundtrack- (2016)
シング・ストリート 未来へのうた/オリジナル・サウンドトラック盤
80年代中頃のダブリンを舞台に、意中の女子にバンドやってると嘘をついてしまった手前、メンバー集めてバンド活動する高校生を主人公にした青春映画。このバンドのオリジナルとして紹介される曲が実にカッコいい、というのが大変ポイント高い。メンバーたちが目標としコピーしてるのがデュラン・デュランという所にも時代を感じる。面白い。
☆368位☆
Random Access Memories/Daft Punk (2013)
ランダム・アクセス・メモリーズ/ダフト・パンク
ダフト・パンクというと、90年代から活動しているエレクトロ・ポップ・ユニット、というイメージだが、本作では、オマー・ハキム、ネイサン・イーストに、なんとジョルジョ・モロダー、ナイル・ロジャースまで参加し、アナログなレコーディングを敢行したらしい。ベスト・セラーとなりグラミー賞も受賞した、新感覚のディスコ。曲もよく出来ている。
☆367位☆
100 Miles From Memphis/Sheryl Crow (2010)
100マイルズ・フロム・メンフィス/シェリル・クロウ
やや内省的なアルバムが続いていたシェリル・クロウが、久々にロッカーらしいアルバムを作った。タイトルからも察せられるように、ソウルそれもメンフィス系に接近したと言っていい内容。どの曲もブラス・セクションを導入したアレンジがそれらしくてよろしい。ジャクソン5のカバーも、新たな解釈で面白い。久々にシェリルの面目躍如。
☆366位☆
Traffic/ABC (2008)
トラフィック/ABC
マーティン・フライのソロ・プロジェクトのような形で復活したABC、10年振りの復活第二弾。旧メンバーのデビッド・パーマーも参加している。復活後のABCは、かつてのイメージを損なう事なく、スタイリッシュなオトナのロックを作り上げており、キャッチーな曲作りの才も健在。シングル・カットされた「ザ・ベリー・ファースト・タイム」や「ラブ・イズ・ストロング」あたりで遺憾なく発揮されている。
☆365位☆
The Tall Ships/It Bites (2008)
トール・シップス/イット・バイツ
ジョン・ミッチェルという若い才能を得て蘇ったイット・バイツの復活第一弾。フランシス・ダナリーの代わりを見つけるには、クローンが育ってくるのを待つしかなかったが、本作は、その長き不在を埋めるには十分な力作。かつての作風にポップ風味を加え、実にグレードの高いコンテンポラリーなロックであり、尚且つイギリスらしい風格も感じさせる。
☆364位☆
Confessions On A Dance Floor/Madonna (2005)
コンフェッションズ・オン・ア・ダンス・フロア/マドンナ
全曲ノン・ストップで繰り広げられる、マドンナの新感覚ディスコ・アルバム。メランコリックなメロディが、かつてのディスコらしい淫靡さを感じさせるサウンドと共に展開される。この手の世界はマドンナお手の物であろう。アバをサンプリングした「ハング・アップ」がやはり目立つが、他の曲もクォリティ高い。タイトルもなんとなく意味深。
☆363位☆
Fly Or Die/N・E・R・D (2004)
フライ・オア・ダイ/N.E.R.D.
バンド名は"おたく"という意味であるのは今や誰も知ってるかも。ファレル・ウィリアムスがメンバーなのは最近まて知らなかった。いわゆるブラック・ロックと呼んでいい音楽性で、この時代ではマニアックかも。どの曲もギター・ソロがフューチャーされ、正に血湧き肉躍るロックである。タイトル曲のようなスローな曲もロックらしさ全開。
☆362位☆
Anthology : The Warner Reprise Years/Emmylou Harris (2001)
アンソロジー:ワーナー・リプリーズ・イヤーズ/エミルー・ハリス
文字通り、ワーナー時代の主にシングル曲を集めた編集盤で、この頃はオーソドックスなカントリーのイメージだが、とにかくまず声が素晴らしい。声に勝る楽器はない、という事を再認識する。似たような曲が続くので少々退屈かもしれないが、この声に浸っていると、いつの間にか時は過ぎている。ロイ・オービソンとの意外なデュエット・ナンバーなども良い出来。
☆361位☆
Red Dirt Girl/Emmylou Harris (2000)
レッド・ダート・ガール/エミルー・ハリス
どういう心境の変化か分からないが、エミルー・ハリスは90年代よりオルタナ系に接近し始めた。本作は全曲彼女の自作で、自らアコギを弾いて録音に参加した、オルタナ・カントリーと言っていい内容のアルバムである。説得力のあるサウンドと歌声で構築された、美しくも静謐な世界。やや年を取ったとはいえ、ポートレートも相変わらず美しい。
次回は、360位-341位です^^
壮大かつ無謀な企画が進行中ですね。
レパートリーの広さに感心しつつ、なんでこのアルバムがこんなに早く出てくるんだとか、悲喜交々です。
更新が楽しみです。
>壮大かつ無謀な企画
ははは、まさにその通りなんですけどね(笑) 最初は個人的に集計してみたのですが、公表したくなってしまいまして^^; 正直言うと、何がしたいのか自分でもよく分からないです(笑)
>なんでこのアルバムがこんなに早く出てくるんだ
はい、それは自分でも感じてます(笑) 全てのアルバムを数値化して、自分の思いとは関係なく順位を決めているので、本来ならもっと上のはずなのに、というのも結構ありますね。その逆もありますが(笑)
>更新が楽しみです。
ありがとうございます。1位到達まで半年くらいかかるかと思いますが(爆)、よろしければお付き合い下さい。