MFCオーナーの私選歴代最高のアルバム500
340位-321位
☆340位☆
Exposure/Expose (1987)
エクスポージャー/エクスポゼ
1985年デビューの3人組ガール・グループは、シングルで実績を作ってから、この1stを出した。3人ともリード・ボーカルが取れる実力派。打ち込みメインで賑やかなパーカッションが特徴のメロディックなダンス・ナンバーが楽しめる。どの曲にもアナクロなギター・ソロがフューチャーされているのも良い。実力派だけに、バラードもかなり聴かせます。
☆339位☆
Alphabet City/ABC (1987)
アルファベット・シティ/ABC
オシャレなムード全開のABCの4作目。本作からは「ホエン・スモーキー・シングス」がヒット。他の曲も、ピアノとストリングスと女声コーラスを巧みにあしらったオシャレでゴージャスなアレンジで聴かせる。「ザ・ナイト・ユー・マーダード・ラブ」「失意の君」あたりが特に素晴らしい出来映え。ニュー・ロマンティック系の中では勝ち組と思うのだが。
☆338位☆
Graceland/Paul Simon (1986)
グレイスランド/ポール・サイモン
昔から民族音楽志向みたいなのはあったが、ここまでやってしまうとは。曲が先に出来ていたのかバック・トラックありきなのか、は不明だが、アフリカのサウンドにポール・サイモンの曲が上手く絡んでいる。一曲目の「ボーイズ・イン・ザ・バブル」とか特に凄い。余談だが、「グレイスランド」はプレスリーのお墓がある場所だそうで、アフリカとは関係ない。
☆337位☆
Raised On Radio/Journey (1986)
レイズド・オン・レイディオ~時を駆けて/ジャーニー
2大ヒット作に続く本作は、スティーブ・ペリー主導によるAOR路線。やや意外だったけど、この方向性も悪くない。産業ロック的な部分も適度に残して、ややバラード系が多いものの、なかなかアダルトなロック・アルバムとなっている。スティーブ・ペリーはもちろんだが、ニール・ショーンも見事にこのスタイルに適応していて素晴らしい。
☆336位☆
Leather Jackets/Elton John (1986)
レザー・ジャケッツ/エルトン・ジョン
エルトンのキャリアに於いては、黒歴史のようなアルバムらしい。制作時の状態が良くなくて、本人も不満だらけのようだし、トップ40ヒットも出なかった。ただ、結果だけで評価してしまうには、あまりにも勿体ないアルバムである。本人の状態とかヒット曲の有無とかは関係なく、収録曲のレベルも高いし、アルバムとしても良く出来ている。先入観なくちゃんと聴こう。
☆335位☆
Three Sides Live/Genesis (1982)
スリー・サイズ・ライブ/ジェネシス
節目ごとにライブ盤を出していたジェネシスだが、本作は3人プログレ期の記録と言える。この時期は大作志向ではあったが、コンパクトで分かりやすく聴きやすい作風だった。ポップでもあったし。イギリス盤は4面ともライブだが、インターナショナル盤はD面にイギリスで発売された「ペーパーレイト」を含むEPが収録されていた。自分が聴いてたのもインターナショナル盤。
☆334位☆
Blow The Belt/Franke & The Knockouts (1982)
ビロウ・ザ・ベルト/フランキー&ザ・ノックアウツ
フランキー&ザ・ノックアウツは、この2ndでハード・ロックを志向している。フランキー・プリバイトの実力をもってすれば、ハード路線も全く問題ないし、曲作りの上手さもあり、上質なハード・ロック・アルバムとなっているのは当然。ただ、1stの方向性をもっと追求してヒットを狙って欲しかった気はするが。シングルの「ウィズアウト・ユー」はメロウな名曲。
☆333位☆
Take My Time/Sheena Easton (1981)
モダン・ガール/シーナ・イーストン
鳴り物入りでデビューして、あっという間にスターになってしまったシーナの1st。シングルの「モダン・ガール」「9to5」はもちろんのこと、収録曲全てのグレードが高く、ポップ・アルバムとしては文句なしの出来映え。シーナのやや固い声質や低音の弱さなどが気にならなければ、表現力もあるし、素晴らしいシンガーである。
☆332位☆
Physical/Olivia Newton-John (1981)
虹色の扉/オリビア・ニュートン・ジョン
『グリース』あたりから進められてきた、歌姫オリビアのアダルトなシンガーへの路線変更が結実したアルバムと言ってもいいのでは。「フィジカル」は10週連続全米No.1となり、オリビアは単なる美人歌手ではないポジションを獲得した。本作も、「フィジカル」以外の曲もオトナの歌手としての魅力に溢れており、素晴らしいポップ・アルバムとなっている。
☆331位☆
Emotional Rescue/Rolling Stones (1980)
エモーショナル・レスキュー/ローリング・ストーンズ
最初に聴いた時は、原点回帰のようなロックンロールが多く、やや期待はずれの感もあったが、何回か聴いているうちに良さが分かってきた気がした。アメリカ南部の音を追求した70年代前半から『女たち』を経て、次なる地平に向かう前に、肩の力を抜いて作ってみました、という感じ。その抜けた感じが味になっているアルバム。一曲目の「ダンス」は屈指の名曲だ。
☆330位☆
Jazz/Queen (1978)
ジャズ/クイーン
一曲目の「ムスターファ」で度肝を抜かれ、そのままクイーン・ワールドに引きずり込まれる。様々な素材をあまり手を加えずに提示して、全体的に遊んでいるような雰囲気が漂うアルバム。「ムスターファ」のみならず「バイシクル・レース」「デッド・オン・タイム」「ドリーマーズ・ボール」「ファン・イット」といった曲にその傾向は顕著だ。人気曲「ドント・ストップ・ミー・ナウ」収録。
☆329位☆
Here At Last...Bee Gees...Live/Bee Gees (1977)
ビージーズ・グレイテスト・ライブ/ビージーズ
意外な気もするが、ホーン・セクションを含む12人のバンドを従え(ベースはモーリス)、ファンキーな演奏を聴かせるライブ盤である。オープニングの「獄中の手紙」がダイナミックなのに驚く。アコースティック・コーナーはあるが、基本的にはバンド中心。"フィーバー"前のダンサブルなヒット曲が楽しめる。「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」は圧巻。
☆328位☆
Legend/Poco (1979)
伝説/ポコ
ポコのことは以前から知ってたけど、本作でいきなり売れた、という印象。結成当初とは異なり、この頃はポール・コットンとラスティ・ヤングの双頭体制だった。全体的に都会的雰囲気のカントリー・ロックといった印象で、シングル・カットされた「クレイジー・ラブ」はとことん名曲である。他の曲の出来も良く、馬のジャケットと共に代表作となった。
☆327位☆
Live And Dangerous/Thin Lizzy (1978)
ライブ・アンド・デンジャラス/シン・リジィ
全盛期のメンバー(フィル・リノット、スコット・ゴーハム、ブライアン・ロバートソン、ブライアン・ダウニー)による全盛期のライブ盤である。悪かろうはずがない。フィルの熱いボーカル、重厚なツイン・ギター、ブライアン・ダウニーのドラム、どれを取っても完璧。決してメタルではない、伝統のブリティッシュ・ハード・ロックが堪能出来る名作ライブ盤。
☆326位☆
Heavy Horses/Jethro Tull (1978)
逞しい馬/ジェスロ・タル
タルのトラッド3部作の中では、最もドラマティックで重厚な作品。タイトル曲はもちろん、「ノー・ララバイ」も長尺ながら素晴らしい。トラッド風味とプログレ風味の融合も随所で堪能出来る。「ねずみ警察」「茶色のはつかねずみ」あたりも長尺ではないが、良く出来た曲だ。当時のイアン・アンダーソンの創作意欲が相当なものだった事が窺える傑作。
☆325位☆
Real McCoy/Van McCoy (1976)
リアル・マッコイ/ヴァン・マッコイ
アトコでの4枚目のリーダー作。「ハッスル」から一年過ぎて、話題に上る事が少なくなっていたような気はするが、内容は充実している。自身が書いたタンサブルなインスト曲がメインだが、「ジェット・ハッスル」「ひとめぼれ」「ナイト・ウォーク」あたりは親しみやすくてよろしい。「宇宙大作戦」のカバー、「アフリカン・シンフォニー」の再演も聴き物。
☆324位☆
Breezin'/George Benson (1976)
ブリージン/ジョージ・ベンソン
クロスオーバー或いはソフト&メロウという新たなジャンルにカテゴライズされていたが、ジャズ畑のジョージ・ベンソンが、それまでのジャズとは違う音楽を提示してみせた重要作。タイトル曲をはじめ、高度なテクニックと音楽性に裏打ちされた、流麗で聴きやすいインスト曲が並び、ここに新たな音楽の潮流が誕生したのである。
☆323位☆
Moonmadness/Camel (1976)
月夜の幻想曲/キャメル
キャメルは、プログレと呼ぶには変化がない、ロックと呼ぶには軟弱、などと言われたりもしたが、その独特のスタンスで確固たる地位を築いた。本作も、叙情的な曲展開、流麗な演奏、メロディの美しさ等々、キャメルの本質が余すところなく発揮された傑作と言える。白眉はやはりラストの大作「月の湖」だろう。幻想的で叙情的な曲構成そして表現が素晴らしい。
☆322位☆
Desire/Bob Dylan (1976)
欲望/ボブ・ディラン
実はディランで唯一聴いたのが本作である。当時、久々のプロテスト・ソングである「ハリケーン」が話題になっていたが、ディランの諸作の中では異色作ではないか、という気がする。どこかエキゾチックな雰囲気があり、その要因はスカーレット・リベラのバイオリンとエミルー・ハリスの歌なのではないか。他は知らないが本作は間違いなく名盤である。
☆321位☆
Minstrel In The Gallery/Jethro Tull (1975)
天井桟敷の吟遊詩人/ジェスロ・タル
大作志向はここでも継続。ややハードな感触はあるが。タイトル曲がいかにもプログレな展開で、本作の中でも白眉と言えるが、同様に大作の「ベイカー・ストリートの女神」や「黒衣の踊り子」も聴き応え十分。「ヴァルハラへの冷たい風」に、後のトラッド路線に通じるものを感じたりもする。この頃のタルは凄かったと思う。
次回は、320位-301位です^^
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