「Nikkor-O・C Auto 35mm F2」絞りによる画のバラエティを楽しむレンズ。
最初は[レンズ内ゴミあり]だしヘリコイドもアレっと思ったくらい軽め。しかし使っていくうちに変幻自在の写りにどんどんのめり込んでいくような面白いレンズでした。
初のオールドレンズでありF2とそこそこ明るい、開放での周辺減光などを楽しめればいいかなと言うくらいで使い始めた。
ところがどっこいf/4.0くらいに多少絞ってもピント域からアウトフォーカスになるボケ始めの近辺でさえモノの姿が消えそうなくらいなボケ方をすることがある、とても被写界深度を意識させてくれるレンズなのである。
開放の柔らかさはplanar T*1.4/50との勝負にも負けてない感じだ...(少しトリミングしてある)
かといってこちらも開放で撮ったものだがどうだろう...
難波田城公園の古民家内部、こういう場面では「絞り開放」とは思えないほどシャープに解像してくれるので驚きだ(α7IIにて)。ピント面の古いミシンの質感は素晴らしい!かといって奥のちゃぶ台いから植木まで消え入るほどボケは大きくない・・・不思議なレンズだ(笑)。
被写体の遠・近(ピント位置)で随分とボケ方に違いが出るレンズということなんでしょうね、
今風のレンズと違いシャープネスについては概ね『そこそこ』レベルかもしれないが悪くはない。そしてオールドレンズで撮りたくなるような被写体ではそれなりに雰囲気を出してくれるところがまた可愛い。(これまた開放)
また何気ない草などの質感を時々ゾクッとするような表現をしてくれるのにも驚かされる。
雨粒の残った草の質感は水物を魅力的に描くZeiss に近いものがある(笑)。そしてLightroomに取り込んでの現像作業ではイメージを膨らませてくれるようなソースを提供してくれるのです。
Ai改造済みレンズなのでD700でも普通に使えるのですが、このレンズは見っけもんでした。使えば使うほど魅力を発見するような楽しいレンズです。
(これが初代α7での絞りf/2.8での近接撮影、後ろがすぐさま消えだしてます^^)
今どきの高性能な大きい・重いレンズと違いそれほどシャープな画ではないですが、そうしたウィークポイントは光の使い方次第でいくらでもカバーできそうな魅力を持ったレンズです。ただしα7IIではそれほどシャッター切った時に振動がないので分かりませんが、D700に付けているとあの『カシャン!』という大きなシャッター音とともに支えている左手にレンズの揺れを感じます。思わずブレてるかなと思ってモニターで確認すると「ブレてない」ってな感じのビックリセーフなレンズです(笑)。
45年くらい前の代物でだいぶくたびれてきたレンズなんだろうと思いますが、大事に長く使っていきたい一本となりそうです。
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