今回の秋田旅行はいろいろと計画の段階からお世話になった「あきたTABIYORI」さんの
情報誌やプランのおかげで充実した、思い出に残る旅行となった気がする。
特に角館では初日、朝8:00という早い時間から案内をしていただける「プラン」は実にありがたい。
これからの二日間のポイント・見どころをつかむことができるからだ、
「ブロガー後藤さんとまち歩き」で案内をしていただいた後藤さんは料亭稲穂のご主人、
そして角館観光協会のホームページのブログ「角館紀行」を毎日更新して情報発信をしている方だ。
多分、いや絶対、今日も朝5時から角館の町を歩いて見たこと・感じたことをブログにアップしてるだろう。
そんな角館を知りつくした後藤さんとのまち歩きなので楽しくないわけがない、
ここからは後藤さんから紹介された面白スポットあれこれから、心に残ったものをチョイスしてみるつもり。
まずは「平福記念美術館での不思議な体験」を振り返る。
後藤さんとのまち歩きでは先述したように南から北へ、ぷかぷ館がゴールのため
この平福記念美術館が最後の立寄りスポットとなる。
そこでのあのサプライズであるが、何となくこの美術館の建物が意図していたことではないかと思えるのだ。
まずは町のどこでも手に入るガイドマップからこの美術館をみてみると・・・、
このイラストで描かれているマップは非常に実際に忠実に書かれているよく出来たマップなのだが
中央上部に美術館が見える(マップは上が北となっている)。
この朝の散策ではマップ東側から美術館へ入っている、下の写真がその時のもの。
まさにこの時間、写真に見える奥の入口付近から回廊をくぐって庭園に出た瞬間の
とても「不思議な感動・空気感」を探ってみた。
この美術館は入口前に小さな前庭のようなスペースが有り、
青緑の素敵な壁の回廊がその広場(コンコース?)を囲むようにできています。
朝の東からさす太陽の光が庭園の木々によって遮られているのがよく分かる、
まあ普通この広さの庭園にはありそうもない高い樹木ですからねえ。
この写真は後藤さんと訪ねた9時過ぎのもの。
こちらは「ぷかぷ館」にてお茶をしてから再び訪れた10時以降のもの、
太陽が高くなった分このコンコースのほとんどに日が当たっています。
下の写真は9時台のものだが、この北側の回廊を遮る樹木がないことを示している。
柱の影を見るとまだ太陽が斜め横から照らしているのがわかる。
そしてこちらが9時台の入口から見た東側の景色、日陰から(ちょっとわかりづらいが) 低い太陽に
照らされた庭園が明るく見えている。
下のものは10時半過ぎの景色。
コンコースが明るく照らされ、太陽が上ったため生い茂った樹木のせいで庭園の地面が暗くなりだしている。
(それにしてもよく見ると、建物左上の部分蔵に見えますよね)
この9時前の明るさが徐々に木陰に変わっていくのである、
したがってこの時期(6月)4時台の日の出だが花場山など東側の山から太陽が顔を出すのは
5時台以降だと思う、その時間から9時台までこの庭園は樹木の横から日が当たるせいで
かなりの部分の地面に日が届くものと思われる。
この明るさがコンコースから庭園に出た瞬間、あの「不思議な空気感」を演出しているのではないだろうか。
角館の光を熟知されている後藤さん、いかがでしょうか?
またこのコンコースを回廊が四方を囲むような構造は一番最初の写真でわかるように
小さな閉鎖空間を演出している。
これによって美術館入口から外へ出る場合、周りの広い空間から比べると緑青の回廊に囲まれた
「非常に狭い異空間」を一旦体験してから高い樹木のある広い緑の空間(庭園)へ出るため
「光の演出」も加わりこの“鳥肌が立つくらいの”空気感を醸しだすのかもしれない。
こんな考察の楽しさをもいただいて帰って来ました (^-^)。
本来美術館内部は撮影禁止ですが、ここセンターのフロアがあまりに素敵だったので、
作品を写すわけではないのでフラッシュたかずに一枚だけ撮らせていただきました…スイマセン。
それから今回この美術館のことを調べていたら、建築を志していらっしゃる方のブログに
この部分(多分雨樋)を見て「ガーゴイル発見!」と書いていましたが、
ガーゴイルという本来の意味からすると「何らかの彫刻」が無いですよね、
ほかの意味でこの部分(雨樋ではなくその周辺)が蔵窓の装飾イメージが感じられませんか?
とにかくこの平福記念美術館での驚きの体験を検証してみると興味がどんどんいろんな方向へ
拡散していきます(笑)。
最後はやはりこの美術館を設計した秋田出身の大江宏さんへ当然のことながら行き着きます、
「樺細工伝承館」も彼の設計(1978年)なのがわかります。
しかしWikipediaには彼の作品群の中にこの美術館は載っていない!
1988年4月開館で大江氏が1989年3月没ということから、最晩年の作品ということになる・・・。
ところでこの美術館と大江氏の関連で面白い考えを載せているブログもある。
山形県鶴岡にある「月山あさひ博物村」センターの回廊(1991年)によく似ているという、
そしてまたそのセンターを設計したのが大江事務所(大江宏のご子息)だという。
したがって、もしやこの「平福記念美術館」も息子さんの設計?・・・となるか。
まあこちらの美術館の回廊の影響が息子さんの設計に現れても不思議はないので
なんともいえませんが、大江宏さん最晩年の設計だとすればもうちょっと大きく書いてくれてもいいですね。
話があちこち飛んでしまいますが、興味をそそられる美術館ということだけは確かです。
【平福記念美術館】・・・
北欧修道院風な建物に、蔵をモチーフにした部分があり緑青の壁が魅力的で私は大好きです。
それに加えあの体験ですから、角館へ行ったら必ず寄って欲しい場所ですね。
午前中日がさしはじめてから2~3時間以内という時間帯指定で(笑)。
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