昨年は、大震災後の東電福島第一原発の放射能汚染で避難を余儀なくされ、開催地自身も放射能汚染のため、規模をひとけた縮小して、かろうじて開催された野馬追いでしたが、今年は本来の会場も使えるようになり、参加騎馬数も従来の8割以上を確保して、ほぼ完全復活と言える規模での開催にこぎつけられました。
私も何度か見に行きましたが、今年は復活の年として応援したいと思ってましたが、ちょうど休日開催になったことと、以前一緒に行った知合いが今年行きたいと言いだしっぺになり、めでたく観戦することになりました。
今回は訳あって、写真の数が少ないので、祭りの全貌を見ておきたい方は、私の過去の写真をご覧ください。⇒ 熱き闘い('2003)
さて、今年は・・・
武者行列の中盤に登場したのは、相馬小高神社を拠点とする小高郷・標葉郷の軍団。その先頭を務める御先乗として、阿部雅彦氏。動く武具文化財という意味でも目を惹きます。
堂々たる体躯で響き渡る口上をとどろかせ、その中に「復興への思い、観戦への感謝、伝来の祭りを続ける意思」を巧みに組込んで、大きな長い拍手を浴びたのは、白地に下がり駒の旗印の先頭軍者付中頭の片岡大成氏。
各種の旗が続きます。ひときわ大きい総大将の大纏(おおまとい)は黒地に緋の丸
螺役(ホラ貝を吹く係:現代の通信班)はおしゃれな陣羽織のいでたち
平田京大氏
野馬追い観戦用に、辻々の駐車場に椅子を並べて観戦しやすい工夫がされています。
中央の旗が相馬藩の標で九曜旗です。
行列が始まって、すでに1時間ですが、全体の半分が通過した程度。騎馬列は延々と続きます。馬にも水を与えたい時間です。
この日は、好天過ぎて暑すぎました。暑さ対策はしていましたが、腕の日焼けは結構なものでした。(^^)
雲雀が原会場に着くと、ひと時馬を休められる人もいますが、全頭を繋げる場所はないようです。この大事にされている馬は、この後の競馬や神旗争奪戦に参加する予定なのでしょう。
雲雀が原会場の観戦場所、適度な斜面が相当の観客を収容できます。
競馬場コース際には、カメラマンたちの幾重にも重なった人垣が出来ていました。
一番いい席を得たいなら、行列を見ないで席取りしなくてはなりませんが、ちょっと写したり見るだけなら、ほんのちょっとの隙間を見つけて潜り込むのです。(苦笑)
甲冑競馬が始まりました。背中に立てた旗の風切り音、ひずめの音、観衆のどよめきなど、
見て聴いて体感する感動です。
入賞した騎馬は急なジグザグの羊腸の坂を駆け上がり総大将から褒賞を受け取ります。
最後は神旗争奪戦、よく手入れされた芝の緑に各旗が鮮やかでした。
花火で打ち上げられた神社の旗が落ちてくるのを鞭で絡め取るのです。馬を操りながら風を読み、最後は片手を伸ばしての旗の奪い合い。いつかは旗を奪い合って、結局二人で半切れになってしまったのを、持ってきた者もいたようです。
今年は第1コーナーの落馬があり、目の前数十cmに馬の顔が出てくるというドッキリにも会いましたし、腹帯が緩んでクラが外れて落馬もあったようですが、救急車の出動がなかったのは幸いでした。ただ観客の中に熱中症状で手当てをされてる方が何人かいたようです。
こうやって、野馬追いの3日間の内の一日だけですが、それだけでも多くの方の熱意でこの祭りが続いていることが分かりますし、理屈抜きに素晴らしいものを見れる喜びに浸ったひと時でした。
ビデオも撮りましたので、気が向いたらまた後日紹介します。
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