はっきり言って殆どが絞り優先オートなのでダイヤルはどうでもい
い。
あまたあるMFニッコールレンズをデジタルで使いたいときにD3
sやD700に着けるととってもみっともないのでそれが似合うボ
ディが欲しかっただけだ。
フィルムメインで未だにデジタル一眼レフはD3sとD700で止
まっているがデジタルの用途的にはこれで十分なのでDfのD4セ
ンサーがどうのとかそう言うことは興味がない。
1600万画素程度と言うのは嬉しいが最新のテクノロジーはまあ
今ならこうだろうなというくらいの興味しかないのだ。
MFニッコールやDタイプのAFレンズがよく似合うが取り付ける
レンズはもうはなから決まっている。
私の標準レンズ銘玉Ai-s28mmf2.8一本だ。
これ一本あればたいていの事は出来てしまうからこれが標準なのだ。
さて早速届いて箱を見てまずがっかり。
28万円もするカメラのくせにいつものニコンの金ぴかの箱じゃな
い。
クールピクスの高いやつと同じ黒い箱だったのは萎えたが今のニコ
ンはみんなこうなのだろううか。
とりあえず箱から出してバッテリーを入れて電源をONするとまさ
かのバッテリー切れ。
フル充電はないけれど空っぽのバッテリーがついてくるカメラはこ
れが初めてだ。
ストラップを通すとかその辺に転がっているSDカードを入れてみ
たりとかそんなことしか出来ない。
まあ、充電させて置いていろいろ見てみよう。
ストラップはいつものみっともない黄色と黒のものでなく白黒で良
いがこういう機種名をでかでかと入れるのはやめて欲しい。
これはマジックで塗りつぶしてしまおう。
ボディの見た目は見事にFEとF3を足して2で割った形でデジカ
メだから上から見ると分厚くて「やっぱデジカメよねぇ」と思わせる。
どうせならシャッターチャージもレバー式にしたらもっと懐古主義
のひとは喜ぶんじゃないだろうか。
カメラ自体は小型軽量でよい。
APS-CのペンタックスK-5よりわずかに大きい程度だから小
さいほうだろう。
小さくて軽いのはよいことでクソ重たいD700を手首から提げて
いると嫌になるがこれならそんな心配もなさそうだ。
右手でグリップを握ってDfという文字とグリップが見えなくなる
とまるきりFEを持っているように見えるので気づかれないだろう
がそこが良いのだ。
充電が終わったのでSDカードのフォーマットやら日付設定やらし
てからとりあえずホワイトバランスをAUTO2で部屋の中をチョ
コチョコ撮ってみたがJPEG撮って出しの色は今までのニコンと
違い寒色系によっていて何だか少し変なのでケルビン指定で他のニ
コンデジタル一眼レフと同じような色目にした。
少し手間だった(元のD3sなんかがもう既にケルビン指定でカラー
もいじってあるのでそれに合わせるのが難儀)が元々モノクロしか
撮らないのであんまり重要なことではない。
気に入らないのは昔のフィルム一眼レフふうにしたのはいいがシャ
ッターダイヤルや露出補正ダイヤルにロックすることまで原点回帰
してくれたことだ。
古い人なら分かると思うがフィルムの時代、F3やF4は何をする
にもロックが掛かっていてみんなが「止めてくれ」といっていたのを
忘れたのか。
ダイヤルのクリックの堅さ次第で何とでもなるし現にフジフイルム
のカメラなんか一番よく触るボディの右肩手前に露出補正ダイヤル
があったりするが間違って回ってしまう事もないし使いやすい。
それに仮に露出補正を戻し忘れていても次に撮った時に「あらら」
となるだけでデジタルなのだから何度でも撮り直しができるし、劇
的な一瞬を追いかけるようなカメラでもないのでロックなんか要ら
ないのだ。
あと暗所に強いといいながら実は弱くそれにAF補助光すら付いて
ないのだからAFで使いたいひとは夜イライラするだろう。
ボディが厚みがあってぼってりしているのはデジカメだから仕方が
ないにせよフィルムカメラの銘機F6を作った時くらいの情熱があ
ればもう少しまともに出来たのではないかと思わなくも無いのだ。
ニッチなキワモノなのは分かるけれど28万円は高い。
MFニッコールとのバランスとか控えめな画素数に魅力がなければ
素直にD750に行った方がお財布にも優しく幸せになれるだろう。
MFニッコールをデジタルで使いたいというよりフィルムを詰める
までもなくちょっといつものレンズで撮りたい時に一本撮りきって
しまわなくとも良いデジタルは便利だから我が家にやって来たDf
このカメラに特別な魅力を感じる人もいるだろうが私の場合ちょっ
と事情が違うのである。
MFの時にも出っ放しのAFターゲットは邪魔だがMFのピントの山
も掴みやすいしFEにしか見えないボディとかよいところも悪いとこ
ろもひっくるめて嫌いではないなと思った次第であります。