千とせまでかぎれるまつもけふよりは
君にひかれてよろづ世をへむ 能宣
ねの日しにしめつる野べのひめこまつ
ひかでやちよのかげをまたまし 清正
若菜
菅
野中芼菜世事推之蕙心鑢下
和羹俗人属之荑指
あすからはわかなつませんかたをかの
あしたのはらはけふぞやくめる 人丸
あすからはわかなつまんとしめし〔野に〕
きのふもけふも〔ゆき〕はふり〔つゝ 赤人〕
新古今和歌集巻第七 賀歌
子の日をよめる 藤原清正
子の日してしめつる野辺の姫小松ひかでや千代のかげを待たまし
子の日をよめる 藤原清正
子の日してしめつる野辺の姫小松ひかでや千代のかげを待たまし
三十六人撰
子の日しに占めつる野辺の姫小松引かでや千代の陰をまたまし
俊成三十六人歌歌合
左 清正
子日しに占めつる野辺の姫子松引かでや千代の陰を待たまし
和漢朗詠集
子日
ねのひしにしめつるのへのひめこまつひかてやちよのかけをまたまし 清正
子の日しに占めつる野辺の姫小松引かでや千代の陰をまたまし
俊成三十六人歌歌合
左 清正
子日しに占めつる野辺の姫子松引かでや千代の陰を待たまし
和漢朗詠集
子日
ねのひしにしめつるのへのひめこまつひかてやちよのかけをまたまし 清正
よみ;ねのひしてしめつるのべのひめこまつひかでやちよのかげをまたまし 隠
早春観賜宴宮人同賦催粧応製并序
菅原道真
野中に菜を芼(えら)むは世事これを蕙心(けいしん)に推す。
鑢下(ろか)に羹(あつもの)を和(くわ)るは俗人これを荑指(ていし)に属(しょく)す。
拾遺集
題知らず 人丸
あすからは若菜つまむと片岡のあしたのはらは今日ぞ焼くめる
新古今和歌集巻第一 春歌上
題しらず 山部赤人
明日からは若菜摘まむとしめし野に昨日も今日も雪は降りつつ
よみ;あすからはわかなつまむとしめしのにきのうもきょうもゆきはふりつつ 隠
万葉集巻第八 春雑歌 1427
万葉集巻第八 春雑歌 1427
山部宿禰赤人
従明日者 春菜将採跡 標之野尓 昨日毛今日毛 雪波布利管
ゆきてみぬ人もしのべとはる〔の野の〕
かたみにつめるわかななりけり 貫〔之〕
三月三日 付桃花
王維
春来遍是桃花水不辨仙源何處尋
菅
春之暮月〃之三朝天酔于花桃
李盛也我后一日之澤萬機之餘曲
水雖遙遺塵雖絶書巴字而知
地勢思魏文以翫風流蓋志之所〔之〕
貫之集
ゆきて見ぬ人も偲べと春の野のかたみに摘める若菜也けり
桃源行 王維
春来は遍く是桃花の水、仙源を弁(わきま)へず何の処らか尋ん。
謹献小序 云尒
菅
煙霞遠近應同戸桃李浅深似勧〔盃〕
篤茂
水成巴字初三日源起周年後幾霜
菅雅規
礙石遅来心竊待牽流遄過手先庶
紀納言
夜雨偸濕曽波之眼新嬌暁
風緩吹不言之口先咲
みちとせになるてふもゝのこと〔しよ〕り
はなさくはるにあひにけるかな
三月三日同賦花時天似酔応製并序
菅原道真
春の暮月、月の三朝天花に酔、桃李の盛なればなり。
我后一日の澤、万機の余り、曲水遥といえども、遺塵絶たりといえども、
巴の字を書いて地勢を知り、魏文を思て風流を翫ぶ。
蓋(けだ)し志の所、謹んで小序を献はと。 ◯尒
煙霞の遠近同戸なるべし、桃李の浅深は勧〔盃〕に似り。
索流送羽觴詩 篤茂
水巴の字を成す初三の日、源は周年より起るて後幾ばくの霜。
同題 菅雅規
石に礙(さわっ)て遅く来れば心竊(ひそか)に待。
流に牽れて遄(はや)く過れば手先づ庶(さいき)る。
紀納言
夜の雨は偸(ひそか)に濕(うるお)す、曽波の眼を新に嬌す
暁の風緩く吹て、不言の口びる先づ咲(ゑ)めり。
拾遺集
亭子院歌合に 凡河内躬恒
三千年になるといふ桃の今年より花さく春にあひにけるかな
忠岑集
三月三日ある所にてかはらけとりて歌合ども
三千年になるてふ桃は今年より花さく春になりぞしにける