新古今和歌集の部屋

百人一首一夕話 7 巻之三 3 蔵書


三條右大臣  歌譯
貞信公  歌譯
 相者皇子大臣を相する話      忠平南殿の鬼に逢ふ話
 忠平棗を好みたまふ話       花山院築地に瞿麦を植らし話
 宗像神忠平の夢に見たまふ話
中納言兼輔  歌譯
 堤中納言の話
源宗于朝臣


凡河内躬恒  歌譯
 月を弓張といふことをよめる歌の話 大堰川行幸の時の歌の話
 貫之躬恒歌の勝劣の話       御厨子女の話
壬生忠岑  歌譯
 忠岑貫之の弟子たる話       忠岑禁忌の詞を躬恒に難ぜらる話
坂上是則  歌譯
 朝開朝朗の話           是則鞠に達せられし話
春道列樹  歌譯
 志賀山越の話
紀友則  歌譯
藤原興風  歌譯
 濱成式天書の話


拾芥抄ニ曰ク貞信公ノ
語ニ云フ、延長八年六
月二十六日、霹靂
清涼殿ニ之時、侍臣
失ナフ色ヲ吾心中歸依
三寳ニ殊ニ無所懼ルル、大
納言清貫、右中辨
希世尋常不ズ尊
佛法ヲ此両人已
當其妖ニ以テ是
謂之云々。

貞信公みづから
三法帰依のことを
説給へど、そはあが

ともがらのしる
處にあらず。宮中
夜怪に逢て、神
色自若とし、更に
驚かず。終にかれをして
れしむ。これ真に
英雄の資、
尋常衣
冠の客の
およぶべきに
  あらず。

後撰
故宮の内侍に兼輔朝臣
しのびてかよはし侍りける
ふみをとりてかきつけて
内侍につかはしける
     読人しらず
など
  わが身
 したは
もみぢと
 なりに
  けむ
おなじ
 なげ
  きの
 枝に
   こそ
    あれ

新古今
醍醐のみかど
かくれ給ひて後
弥生のつごもりに
三条右大臣に
つかはしける
    兼輔
桜ちる
 春の
末に
  も
なりに
  けり
あや
  めも
しらぬ
 ながめ
  せし
   まに


一貴一賎交情あらはると、
いにしへの人のうらみけんも
ことわりになん。人のいき
ほひある時は、とはでしもと
思ふもつねにとぶらひ、
君がためには
玉の緒も
ものかは、君が
為には、火にも
水にも入るべしと
さしも浅からず、月
にも花にもちぎ
りけん人々も、
いつか飛鳥
河の、せにかはり
ゆく家のさま

を見ては、世を秋
風の音信もなく、い
きすだまのみ親し
かりき。まことに人の
こゝろのあさぎ桜、
ちれば木かげに、立よる
なきこそ、うたて
     ならひなれ。

新古今    匡房
さすらふる
 身は定め
  たるかたも
    なし
 うきたる
    舟の
  浪に
   まかせて


詩に興じ
禮に立楽に
なると、和歌
は詩に等
しくして、
楽に匹なり。
楽は
もって
天地
を動
かし、

神を
感ぜ
しむる
ところ。
ゆゑ
 に
いにし
   へ
より、

和歌を
もって
賞譽
を得る
もの、挙て算へ
がたし。忠岑が、
とりあへぬ一首
をもて、
師尹公の
こゝろを感
ぜしめ、其夜の
不興を和らげ
しは、実に
 皇国の宝と
   いふべし。

コメント一覧

jikan314
Re:ありがとうございました。
それにしても、冬日から夏日と目まぐるしく変わる天気は、きついですよね。
ライラック花粉症は北海道ならでは。
お大事に。
kunorikunori
ありがとうございました。
自閑さま

ご返事に気が付かず遅くなり、失礼いたしました。
札幌はライラックの季節になり、香りよく咲いています。
で、おもいきり香りを楽しんでいたら、その日から花粉症になってしまいました。(笑)









jikan314
Re:「か」だったのですね。
kunori様
北海道は冬日でしたが、埼玉県は昨日より気温が下がり、27℃の夏日でした。夏と冬が混在するのも南北に長い日本ならでは⁉️
体調を崩しやすいので風邪など引かないよう御注意下さい。
「可」(か)では有名なのは、花札の短冊、「あかよろし」ですね。最近までずーっと「あのよろし」だと思っていました。
変体仮名は、個人差が大きく、未だ読めません。まあ、歌を知っているので、雰囲気で読んでいます。
拙句
花にまがふ雪もふるえる夏日かな
(江戸、明治、大正、昭和時代には出来ない俳句です。震えると降る得るのかけ懸詞。俳句の専門家なら、花、雪、夏日の季語で却下ですね。)
kunorikunori
「か」だったのですね。
自閑さま

そうでしたか、「か」でしたら、「さかのうえ」に近い感じですね。
くのりも「くのうり」「くのうざと」かも知れない…ですね。
北海道は雪降りました。山の白さが、明日の朝には増しているかもしれません。
jikan314
Re:素敵な本です。
kunori様
御覧いただき、とてもうれしいです。
同本の絵の部分は、blogウケするだろうと記載しております。後、6巻もありますので、気長にお待ちいただければ幸です。
「坂上」のふり仮名は、「さかのべの」かと思います。他の本はどうかを見て調べますね。

拙句
30℃樹下陰の昼寝かな
(東京はもう真夏日です。)
kunorikunori
素敵な本です。
自閑さま

上から2番目の「坂上是則」のフリガナですが、「さうのべ」と読めるのですが、つまり「ソウノベ」と呼んでいたのでしょうか?

貴ブログで拝見させていただくたびに「いいなぁ~~」と思います。細かな部分まで、例えば顔の表情、しぐさ、戸の木目までも、素敵。
それでいて、堅苦しく無くて、好みです。

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