新古今和歌集の部屋

新古今集聞書他古注書写本 秋歌上 慈円 懐昔月 蔵書

つきせぬおもしろさに又この末にはいかなる

おもしろき事ぞあらんとなり。いかなる風とは

いかやうなる風流の事か侍らんといふ事なり。

            慈圓

○いつまでか涙くもらで月は見し秋まちえても秋ぞこひ
                                しき

じゆつくわい
述懐の哥なり。いつまでかとはいつの比までか

なり。秋まちえでもとは當意の秋なり。秋ぞこ

ひしきとはむかしの秋なり。むかし見し

月はなみだくもりざりしに今は老の涙に

月をもやつし侍れば昔の秋のこひしきと

よめり。

 

※出典 不詳。

 

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