東屋 こ宮の、つらうなさけなくおぼしはなちたりしに、いとゞ人げなく人にもあなづられ給とみ給れど、かうきこえさせ御覽ぜらるゝにつけてなん、いにしへのうさもなぐさみ侍。など、年ごろの物がたり、うきしまのあはれなりし事もきこえいづ。 第十五 戀歌五 中納言家持に遣はしける 山口女王 鹽竈のまへに浮きたる浮島のうきておもひのある世なりけり