新古今和歌集 巻第十七雑歌下
題知らず 和泉式部
命だにあらば
見つべき
身の
はてを
忍ばむ
人の
なきぞ
悲しき
読み:いのちだにあらばみつべきみのはてをしのばむひとのなきぞかなしき
意味:せめて命があったなら見るべき自分の埋葬される様子を。私を偲んでくれる人の無いのが悲しいだろう。
作者:いずみしきぶ平安中期の女流歌人。大江雅致の娘。橘道貞と結婚し、小式部内侍を生む。為尊親王と弟の敦道親王の寵愛を受ける。一条天皇中宮彰子に仕え、藤原保昌と再婚。
備考:「論命江頭不繋舟 観身岸額離根草」四十三首の「い」の歌
新古今注
写真:木津川市和泉式部墓