行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

隅田川の橋、見物するなら水上バスで

2022年11月15日 | 土木構造物・土木遺産
東京出張の際、時間が空いた時にぜひ行ってみたいと思っていた、というかやってみたかったこと。それは隅田川の水上バスに乗って船下り?(船上りでもいいのだが)
というと観光色が強くなるのだが、船から隅田川に架かる橋を一気に眺めることができるのではと考えてのこと。自分自身は、橋マニアとは言えるほどではないのだが、想像しただけでワクワクする。
今の季節だと、日中一時間に1本程度の運行。時刻やアクセスなどを調べた上で、浅草からお台場までの船下り。観光客に紛れて、カメラを抱えて、目をギラギラさせながら乗船する自分がいる。



時間の都合上、船は選べない。というのも、オープンデッキがあるほうが撮影にはいいのだが、この日の就航は「エメラルダス」というデザイン性に優れたガラス張りの船だ。
運行する東京都観光汽船では、10数年前から「銀河鉄道999」でお馴染みの松本零士氏のデザインによる水上バスを導入。「ヒミコ」、「ホタルナ」に続く第三弾のエメラルダスは最新の船ということになる。
全面ガラス張り、丸みを帯びた船体、船室は白を基調としており、日差しをたっぷりと受けて船内をより明るくしている。指定席のコンパートメントなどもあり人気の船というが、コロナ禍もあってこの日は当日予約で悠々乗りこむことができた。



さて、隅田川の橋。浅草から水上バスの乗り込んで、すぐに吾妻橋をくぐるが、終点の13の道路橋と総武線の橋梁、首都高速の高架橋なども間近に、しかも橋脚や橋桁を下から眺めることはできる。大迫力だ!
隅田川は江戸時代は荒川の本流であった。明治期に荒川放水路が建設され、正式には1964年の河川法改正により隅田川とされた。意外に新しい川なのだ。(以前は、「住田河」とか「角田川」と記され「すみだがわ」と呼ばれていた。)
神田川をはじめ、江戸時代には水上交通の要として、何本もの川や掘割がこの隅田川(大川)に流れ込んでいたということも分かる。ここにも歴史や魅力がありそうだ。



重要文化財でもある橋もある。「清洲橋(写真上)」は、鋼鉄製の吊り橋で、軍が使用していた部材を利用したとか。基礎部分にニューマチックケイソン工法を日本で初めて導入したことでも知られる。
その下流にある「永代橋(写真上)」は、タイドアーチ橋。この二つの橋は一見全く違った工法を用いているようだが、いずれの橋も関東大震災の復興事業として架け替えられ、デザインを対象化させ、ツインブリッジと言われる。どちらも田中豊の設計・指導で、土木遺産でもある。
もう一つの重文は最下流部にある「勝鬨橋(写真下)」。国内では貴重な跳開橋(ちょうかいきょう)で、船の往来時に中央部の桁を跳ね上げる仕組みになっているのだが、昭和40年代を最後に現在は使用されていない。とにかく見どころの多い船旅であった。




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