6月に入った。いよいよワールドカップ。テレビでも関連番組が花盛りであるが、先日、NHKが「トマソン伝説」を取り上げていた。2002年の日韓大会の時の話で、今回日本代表が、デンマークと同じグループに入ったために企画されたのだろう。
2002年、デンマーク代表がキャンプ地として訪れた和歌山での出来事である。代表チームのエースストライカーであるヨン・デール・トマソン選手(フェイエノールト)にサインを求めた一人の少年がいた。少年はもじもじしながらも、メモを差し出した。「僕は耳が聞こえず、話もできない。でもサッカーが好きで、トマソンのファンだ」と書いてあったそうだ。
するとトマソンは「手話はできるか?」いい、その後、後ろに並ぶファンに断った上で、少年と手話でやり取りを始めた。(手話は、国によっても違い、一部通訳を交えての筆談になったとか…)トマソンは「辛いこともあるかもしれないが、僕の家族にも聴覚障害を持つ姉がいる。家族も同じ試練を背負っている。君は一人じゃない。君のため必ず僕は今大会で得点を挙げる。だから君も頑張って人生を切り開いてください」と言って、二人は笑みを交わしたという話だ。
トマソンは約束どおりこの大会で4得点を挙げる大活躍、デンマークはグループ首位通過し決勝トーナメントまで駒を進めた(トーナメント一回戦で、イングランドに敗れる)。これが「トマソンのいい人伝説」で、マスコミ各社でも取り上げられ、本にもなったそうだ。
しかし、今回NHKのトマソン自身への取材により、全くの作り話であることが明らかになったのである。つづく。(写真下:NHKのインタビューを受けるトマソン選手)
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