JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

月と太陽

2015年01月24日 08時48分38秒 | 本と雑誌
新年が開け、ようやく戻って参りました。お世話になった伯父が亡くなりまして。いや~怒涛の年末だった。「今回は大掃除もお節もサボります」友人のメールに、「それいただき!」さすがにお節は無理だったけど、恒例の年の瀬大掃除はお休み。自分の誕生日は、ちゃっかり確保した、じんちゃんです。

年始はね、のんびりまったりしながら、くたびれた心を癒していました。そういう時間が必要な程、摩耗していた。本を読んで、ドラマを見て、友人と会って…それぞれの場面で、面白い巡り合わせがありましたよ。ああ、人生捨てたもんやないな。しみじみ感じる今日この頃です。

娘が、興味深い本を紹介してくれました。『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』二人の作品や手紙、或いは誰かへ話した内容から、各々の言葉を抜き出して対比し、双方が語り合っているかの如くまとめた、名言集です。

例えばゲーテが「希望は、わたしたちが生きるのを助けてくれます。」明るい言葉を吐きますと、それに続くカフカがですね、 「朝の希望は、午後には埋葬されている。」ゲーテの文言に、パサーッと水をかけるようなセリフを吐く。もう私、爆笑してしまいまして。

「希望を失ってしまったときにこそ、良いことが待っているものだよ。」(ゲーテ)
「ぼくがどの方角に向きを変えても、真っ黒な波が打ち寄せてくる。」(カフカ)

「陽気さと真っ直ぐな心があれば、最終的にはうまくいく。」(ゲーテ)
「すべてが素晴らしい。ただ、ぼくにとってだけはそうではない。」(カフカ)

ちょっと!カフカはん、足引っ張らんとってくれるぅ?眉根を寄せつつ振り返る、ゲーテの困り顔が目に浮かぶ。彼だって、根っから能天気な訳じゃないと思うのよ。『若きウェルテルの悩み』を書いた人だもの。暗かったわ~あの小説。人妻に恋して自殺するの。しかも、自分の体験談を元に書いたっていうんだから。御苦労なさったのね。

「太陽が輝けば、ちりも輝く。」(ゲーテ)
「暗闇に戻らなければなりませんでした。太陽に耐えられなかったのです。」(カフカ)

「厚い雲、立ちこめる霧、激しい雨の中から、希望はわれわれを救い出す。」(ゲーテ)
「救世主はやってくるだろう。もはや必要でなくなったときに。」 (カフカ)

あはは。カフカ最高!!でもね、ゲーテの死後約50年経って生まれてきたカフカは、彼の作品を好んで読んでいたそうです。そうして、彼が住んでいた家を訪れたりもしたらしい。その愛情は、生涯変わることがなかったと。時に闇へ引き込まれそうになりながら、幾度も気を取り直して、前へ進み続けた…そういったゲーテの裏側を、カフカは理解していたんじゃなかなぁ。

夕食の席で、ゲーテVSカフカの名言集を披露していたら、夫と息子は、どちらかと言えば自分はカフカ派だと言いました。ああ~すぐ人の話に水をさすもんね。しかし、勘違いしないでもらいたい。カフカは、決して天の邪鬼や皮肉屋じゃない。体質的にゲーテのようにはいかないよというだけで。人の心情への共感力は、ハンパないのだ。「カフカの言葉の方がさ、しっくりくるんだよな。」(←息子)

じんちゃんはね、名言集から香る心意気ではゲーテが好き。 元来、後ろ向き人間ですから、心情的にはカフカなんですよ。でも、そっちへ寄っていくと引き込まれそうになる。ズブズブ嵌って、身動きとれなくなる。だからできるだけ、ポジティブな方へ目を向けるようにしているかな。

愛知の書店で、娘がこの本を目にしたのは、昨年のこと。一緒にいたおばぁちゃんに「どれか2冊、欲しいものを買ってあげるよ。」と言われ、数冊をピックアップ。悩みに悩んだものの、最後に手放したのでした。しかし、彼女の’いつかきっと’といった執念たるや、なかなかのもので、数ヶ月後、学校図書室の購入希望アンケートへ記入。「私の希望通るかしら…」祈るように待つこと再び数ヶ月、今度は連れだって出掛けた大学祭で-

「ちょっと古本市覗いてくるわ!」勝手知ったる階段を、たったったっと駆け上がり、模擬店へ。「あ、これ面白そう」しばし手に取り、チラチラと内容を観察、購入を決めました。しかし、原作朝霧カフカて。あなた、そこへ反応したんですか?どうせなら『海辺のカフカ』(村上春樹)も読みなさい。図書室にあるわよ。中学生には刺激強過ぎないか?って箇所もアリだけど(←下巻:風俗に纏わる記述で、筆がノル春樹さん)。

国内外の文豪がキャラクターとなって、特殊能力(それぞれの作家の作品名を象徴した)を駆使して戦う、アクション漫画『文豪ストレイドッグス』。学祭の模擬店で手に入れた娘は、一気にその魅力にハマり込み、帰りに早速続きを買っていました。「お母さんの好きな太宰さんも出てくるわよ。」「どんな設定になってるのん?」「カッコいいよ。でもいつもどこかにグルグル包帯を巻いてて、ちょっと中二病っぽい。」「いや~ん。イタいとこ突かれてるわ。」「それでキレイな女の人と心中したがるの。」「うふふ。その通りやねぇ。」

現代の作家さんなら、やはりツッコミどころ満載の渡辺淳ちゃんは欠かせないな。

能力名『失楽園』。
なお美という人妻の恋人がいる。白いスリップを着用させ、敵を悩殺。のつもりが、敵より自分が倒れ込む。
殺し文句、敵の耳元で「僕の跡目はキミに任せた」。相手を喜ばせた所で、止めを刺す。この言葉が、実は常套句であることは、伏せられている。

村上龍
能力名『すべての男は消耗品である』。
戦闘中に叫び、相手の戦意を喪失させる。ただし、「お前もその一人だがな」という言葉には弱い。
形勢が悪くなると、限りなく透明に近くなり、敵の背後から襲撃する。決めゼリフは『だいじょうぶマイ・フレンド』。

田辺聖子
能力名『一生、女の子』。
『愛してよろしいですか?』と、たおやかな物腰で近づき、有無を言わさず押し倒す。
たぐいまれなるユーモアの糸で、ねっとりと相手を絡め取り、最後に毒を吐く。
左手薬指の指先に、カモカ(妖怪)というおっちゃんが寄生している。鬼太郎の目玉おやじのように、頼りになる相棒である。

東野圭吾
能力名『さまよう刃』。
念じるだけで、圭吾剣を自在に操ることができる。『変身』『分身』『魔球』と、あらゆる技を使いこなす、ハイスペックの持ち主。
その華やかな筆さばき?で、銀座のお姉ちゃんに、ついうっかりモテてしまい、リーダー格の淳ちゃんと仲違いをしたのは『秘密』。

すんません。遊び過ぎました。能力名に何を持ってくるかが、見所ですねぇ。その作家を象徴する作品が、上手くハマると嬉しい。吉田修一さん、伊坂幸太郎さん、北方謙三さんも考えてみたのですが、「ええ加減にせぇよ!」と怒られそうなので自重します。キャラの立つ百田尚樹さんと岩井志麻子さんも、メンバーに入れたい所♪

さて、先日娘と夜ご飯を食べに行きまして。とあるレストランで、注文したお料理が来るまで本を広げておりますと、「うわぁ、ちっちゃい活字を追ってるねぇ。」娘の手元を見下ろしながら、笑顔を浮かべる店員さんが。

「こんなちっちゃい活字の本、ほとんど読まないよ。例外は、沢木耕太郎さんくらいかな。」「確かトラベルものを書いていらっしゃる方ですよね。」「沢木さんは『深夜特急』が有名ですが、僕はね、これ勧めていいのかわからないけど(チラっと娘を見やり)、『テロルの決算』という作品が面白かったです。」「初めて聞くタイトルかなぁ。『深夜特急』はわかるんだけど。図書室にもあったし。」「お嬢さんも、いつか読んでみてね。今年は羊年にちなんで、『羊をめぐる冒険』なんてのもいいかもしれない。」「村上春樹さん!うちにあります~」「いい作品ですよね。」思いも寄らぬ会話が展開し、心が和みました。

このお店はね、亡くなった同級生と訪れたことがある、想い出の場所なんです。ウン十年ぶりに再会した友人が彼女を仲間に引き入れ、最後の2年程交流があったのでした。ある時メーリングリスト(仲間うちのメール配信)で映画の話になり、「今なら『ノルウェイの森』を観てみたいわ。」つぶやいていた彼女に、「じゃあ一緒に行かない?」と声をかけると「そうねぇ。行っちゃいますか(笑)。」

学生時代以来の再会。お互いわかるだろうか?と、ちょっとドキドキでしたが、わかりました!彼女はしっとりと落ち着いて、大人の女性といった趣き。 昔は才気煥発のしっかり者で、エネルギッシュな人だったのですが、そういった面は、随分なりを潜めていました。「こうして二人で、映画を観るとはねぇ。」「だって私の座右の銘は…」「"鉄は熱いうちに打て!"でしょ?」こちらを眺めながら、いたずらっぽく笑っていた彼女を、今も覚えています。

新年会、お花見、母校の新校舎見学、それからラストとなった夜のお出かけ…仲間内で集まる機会で、顔を合わすことは度々あったものの、共に映画を観たのは、この時一度きり。「春樹さんはね、ボストンに住んでいたことがあって馴染みがあるのよ。私も隣町にいたものだから。」「独特の世界観だよね。海外でも読まれているそうだから翻訳向きなのかな。映画は、よく観に来てるのん?」「そうねぇ。。。ちょっと前だと『悪人』っていう作品が良かったわ。」「ああ、それY子ちゃんもオシてたよね。」

大学から別の道を歩んでいたので、その頃の想い出話も含め、食事を摂りながら小1時間程お喋りしました。国際結婚、渡米、帰国、そうして離婚。細かい事情が語られることは結局なかったのですが、傍目から見ても激動の人生だったことは、想像がつきます。蓄積された身体や心の疲れは、ハンパなものじゃなかったでしょう。いつか…話してくれる時が来るといいがなぁ。そう考えていたのは、私だけじゃなかったと思う。が、しばらくして突然の病で、あの世へ旅立ってしまった。

「さっきのレストランね、亡くなったお友達と食事した所なの。」「そっかー」「カウンターに並んで座って、いろんな話をしたよ。お母さんね、彼女のことを何でもできるスーパーウーマンだと思っててん。そうしたら」「なになに?」「私、メカオンチなのよ~って」「あはは。」「それで、むっちゃ親近感が湧いてしもた。」「いいお店だったよね。お料理も美味しかったし。」「うん。店員さんと本の話ができたレストラン♪初めてだったわ。」

不思議な体験だったけど、嬉しかったな。沢木耕太郎さんかぁ。いつか手に取ってみよう。(^^)

「行きたい所へ行き、会いたい人に会う。」それが、友を亡くして以来、じんちゃんの座右の銘となりました。万物流転。ご縁もまたしかりですものね。さて今年は、どんな出会いが待っていることやら…

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Taiyo & CIscomoon - Magic of Love 1999.09.30

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https://youtu.be/rDv81ttEFrQ

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10 コメント

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チヤさんへ (じんちゃん)
2015-02-19 09:33:28
そろそろ更新しようかと思っていた所だったので、読んでいただけて良かったです。(*^_^*)
じんちゃんなりに噛み砕いて、楽しく本の紹介ができれば嬉しいかな。

チヤさんも、ゲーテの皮をかぶったカフカ?
表カフカ&裏カフカ、多いな~

先日外出先から帰ってきたら、娘が「お母さん、これ読む?」(市立図書館で見つけてきたらしい)
タイトルを見ると、「絶望名人カフカの人生論」。
「わ~ 読む読む!」という訳で、現在はカフカの研究をしております(笑)。
構成の点では、ゲーテとの対比本の方がよくできていたけれど、これはこれで。
彼ってどんな人?と、その人物像を深く探究していきたくなるのは、カフカかもしれませんね・・・

そうそう。絵に興味のあるチヤさんへ。
中野京子さんの「怖い絵」という名画の解説本が、面白いですよ(←ママ友が貸してくれました)。
癒し系の絵画とは言い難い部分も含まれるので、今の時期に勧めるのはどうかな?という内容かもしれませんが、
いろんなことが落ち着いたら、手に取ってみてください。
著者が西洋文化史を研究しておられる方で、そういう方面からのアプローチが興味深かったわ。
1枚の絵から読み取れることって、こんなにもあるのかとビックリ。

息子さんは、沢木作品の何を読まれたんだろう~
今度教えてくださいネ
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Unknown (ちや)
2015-02-18 16:35:37
あ~面白かった!そして、ためになった!
勉強になります。
私もね、
カフカ的なので、ゲーテのようになりたいと思いますw
沢木耕太郎・・うちの息子が、なにか読んだと言ってたな・・・聞いてみよう。
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narutotoさんへ (じんちゃん)
2015-02-15 09:17:16
ん? 「羊の皮をかぶった虎」ではなく?(←こら)
その言葉を発した方は、おそらく女性ですよね。
何か、シチュエーションが想像できるような・・・(笑)。

村上春樹の昔の小説には、「たぶんね」というセリフがよく出てきたような印象があったので。
「もう、一生、こういう’恋愛の徴候’を経験できないのかと思うと少し寂しい気がします」
narutotoさんの読点の打ち方(’もう’と’一生’の間の)から立ち上ってきたのが、どうせそうだろうよといった、ちょっと怒りを含んだあきらめ。
だから、少し含みを持たせて解釈したらどうかなぁと。

ごめんなさいね。こちらこそ、まったく見当はずれだったかもしれない。
くーっ、何か言い足りてないのだけど時間が・・・
では、「繕い裁つ人」観に行ってきまーす。
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じんちゃんへ (narutoto)
2015-02-14 19:18:56
う~ん、難しいけど、あっあの人は好きな彼女に似ている、って思う機会が増えるってことかな。

カフカの皮をかぶったゲーテですか、上手いこと言いますね。若い頃、「虎の皮をかぶった羊かも」って言われたこともあったな~。

村上春樹の心持ちってどんなんでしょう。
決めつけ、ですか・・・
遠い昔、まだ若かった頃、「あなたはよく断定的なことを言う」、と年上の女性に言われ、驚いたことを思い出しました。その時期の僕は、何事にも自信の持てない男だと思ってましたから(笑)。

ちょっと個人的なコメントになってきましたね。すいません。
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narutotoさんへ (じんちゃん)
2015-02-11 12:54:04
ええ、続きは私の創作です。(^^)
羨ましく見える物事の裏側って、得てしてそういうもんだと思うんですよ・・・
だから’こう解釈すれば楽になるかもしれないよ’というつもりで、書いてみました。
でも、よくよく考えてみると、余計なお世話だったかしらん。
だって、そういうことによって恋心に気付くんですものね。

嫉妬心は、適度なスパイスの範囲内ならいいかもしれないけど、妄想が過ぎて自滅の道を辿るのは勿体ない。
と共に、相手に嫉妬をさせないのも愛情じゃないかと。
じんちゃんは考えていたりします・・・(自戒を込めて)

ニーチェ? 「侏儒の言葉」?
’わからへんわ。どう返すよ~’から出発したのですが、ネットは時間が与えられるから、いいですねぇ。
調べているうちに、とっかかりが見えてきました。

彼女に似た顔を発見することに鋭敏になる・・・
「最近どうも二階堂ふみを見る度ドキッとすると思ったら、僕は宮崎あおいに恋していたのかなぁ~」
みたいな?

もう恋なんてしないなんてー
言わないよ、おそらく~♪
良くも悪くも、決めつけちゃうとつまらないから、’たぶんね’。
村上春樹さんの心持ちでおられては、いかがでしょう?

narutotoさんは、カフカの皮をかぶったゲーテかもと、想像しています。
じんちゃんは、ゲーテの皮をかぶったカフカかな~
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じんちゃんへ (narutoto)
2015-02-09 22:58:54
芥川龍之介の「朱儒の言葉」の「恋愛の徴候」のくだり、僕が話題にしておきながら、すみませんが、続きはじんちゃんの創作なんでしょうか。もし、そうなら、脱帽です(笑)。

それから、又、「徴候」の次に、

 「又 恋愛の徴候の一つは彼女に似た顔を発見することに極度に鋭敏になることである。」とあるのですが、これにも共感したんですよね。

もう、一生、こういう「恋愛の徴候」を経験できないのかと思うと少し寂しい気がします、カフカ派の僕としては(笑)。
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narutotoさん、どこがやねん(笑) (じんちゃん)
2015-01-30 13:30:30
ごめんなさい。久しぶりって感じがしなくって。

ニーチェの格言集、ネットで検索してみたら面白かったわ。
最も心にしっくりきたのは、「足下を掘れ、そこに泉あり」。
生きていれば、思いも寄らぬ出来事に見舞われることもあるけれど、そんな時につくづく感じますねぇ。
足下の幸福なくして、世界の幸福はないと。

「一日一日を始める最良の方法は、目覚めの際に、今日は少なくとも一人の人間に、一つの喜びを与えることができないだろうかと、考えることである。」
ゲーテのような文言や・・・
「昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか。」
カフカのような言葉を見つけるのも楽しかったけど、これにはうなったなぁ。
「愛せなければ通過せよ。」
ホンマその通りやわ。
過去の男性に、言うてやりたい(←こら)。

「結婚するときはこう自問せよ。
年をとってもこの相手と会話ができるだろうか?
そのほかは年月がたてばいずれ変化することだ。」
三船美佳へのコメントかい!と、見まごう格言もありました。

芥川さんの「侏儒の言葉」。
若い頃に手にするには、シブい作品ですね。
改めて内容を追ってみると、ゲーテやウェルテル、はては白蓮事件まで語られていてビックリ。
このタイミングで読むと、面白い。

しかし、「好人物」に纏わる記述が散々だったのには、いやはや・・・
’天上の神に似たもの’と持ち上げながら、歓喜を語るのに好い、不平を訴えるのに好い、いてもいないでも好いて!
三段オチか~い。
ちょっとワルに見せかけて、実はごっつユーモアのある人!?

narutotoさんが共感したという、恋愛の徴候のくだり、続きをじんちゃんが書きましょう。
「しかしながら、その対象の実像、若しくはその対象との関係性は、大概の場合、嫉妬するに足らないものである。」
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お久しぶり?です (narutoto)
2015-01-29 22:19:54
じんちゃん文芸部の活動へ参加です。
「もっと光を!」のゲーテも良いけど僕もカフカ派かな。でもね、最近では、「超訳 ニーチェの言葉」を買って読みましたよ。それから、若い頃、芥川龍之介の『「侏儒の言葉』(しゅじゅのことば)を読んで感動したことを思い出しました。特に「人生を幸福にする為には、日常の瑣事さじを愛さなければならぬ。」とか「恋愛の徴候の一つは彼女は過去に何人の男を愛したか、或はどう言う男を愛したかを考え、その架空の何人かに漠然とした嫉妬しっとを感ずることである。」という言葉に共感しました。
「若きウエルテルの悩み」か、懐かしいな~。学生時代、よく「若きナルトトの悩み」と言って真似ていたな~。それからヘッセの「車輪の下」も良かったな~。
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鞍馬さん、今年もよろしくです。 (じんちゃん)
2015-01-28 10:01:59
私、鞍馬さんの更新を見て、「自分も発信しないと・・・」という気になったんです。
だから、苦笑なんてしないで、書き続けてください。

沢木耕太郎さん、やはり男性に人気の作家なんですね。
レストランの店員さんは、30代くらいの方だったのだけど、’我々の年代が感じる焦燥感を、上手く言い表してくれるのがいい’と、おっしゃってたような。
お忙しくされてる中の、ちょっとした遣り取りでしたが、思いの外、深い反応が返ってきてビックリ。
そうして、勧めていただいた作品を帰ってから検索し、その内容の渋さに、またビックリって感じでした。(^^ゞ
「テロルの決算」。新装版は2008年度刊ですが、書かれたのは1978年なんですねぇ。
「深夜特急シリーズ」も1986年~ 結構年代モノですが、当時のファンだけでなく、今の人たちにも読み継がれてるのは、素晴らしい。
中3の図書委員長も、紹介してたし。(*^_^*)

そういうファンを持ってる沢木さんってどんな方?と、逆に興味が湧きます。
ノンフィクションって、地味じゃないかなぁと思うのだけど、よく生き残ってらっしゃる。
(ジャンルは違えど)星新一さんトカ、自分が若い頃に人気だった作家さんが、今でも読まれてるのは、すごく嬉しいです。
去年「MOZU」で話題になった逢坂剛さんも、実は年季の入った作家。
原作の「百舌が叫ぶ夜」が刊行されたのは1986年!
奇しくも、沢木さんの「深夜特急」と同じ年でした。

沢木さんの本は、自分では絶対辿りつけなかったであろう内容。
そういうのを手にするようになるのも、一つのご縁。
「テロルの決算」「一瞬の夏」「バーボン・ストリート」
本屋を歩く楽しみが、また増えました♪
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おひさ!! (o^-^o) アハッ (鞍馬天狗)
2015-01-27 11:42:42
今年最初の更新ですね^^  待ってましたよ、じんちゃんのblog更新。

まぁ、我がblogも殆ど更新してませんが・・・苦笑

沢木耕太郎の「深夜特急」は
天狗にとって原典みたいな本です。

彼の本の影響で何度放浪旅を志したでしょう。

「テロルの決算」も良いけど、「一瞬の夏」も更に良いですよ。

それから、彼の映画評も面白いです。

確か・・・
「バーボンストリー」という文庫本になってたんじゃなかな。

是非、ご一読下さい^^
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