付け焼き刃の覚え書き

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「我ら濁流を遡る」 駒崎優

2010-06-08 | 架空戦記・仮想戦史
「人生なんてものはな、濁流を手探りで遡っているようなものなんだよ」
 深みにはまるか宝を見つけるかはやってみなけりゃわからない。余計なことは考えないで生き延びることだけ考えろと傭兵隊長ジア・シャリース。

 国境線上の小競り合いに傭われた傭兵隊。だが彼らには先約があった。それは妊婦とそのつきそいを故郷へ連れて行くだけの、行程3日ほどの簡単な仕事だったのだが……。

 傭兵隊バングル・アード=ケナードの物語の4冊目。
 本屋の新書コーナーを物色していて気になって手に取り、ぜんぜん読んでいないシリーズの4冊目をいきなり読んだらダメだろう!?……と思ったけれど、読んだら普通に面白く読めてしまいました。表紙に男どもの後ろ姿が描かれているところがポイント。
 陽気で不屈で有能なむさくるしい傭兵たちと白い狼の物語。剣はあるけれど魔法も超能力もなく、敵も人間ばかりという話で、架空世界であってもファンタジーに分類したらいけない気がする話です。話の内容も、当事者には生死が賭かった戦いでも、大局的には国境線の川を挟んだ小競り合いにすぎないというのも地味さが引き立つポイントです。

【我ら濁流を遡る】【駒崎優】【ひたき】【護衛任務】【渡河阻止】【愚劣指揮官】【娼館】【古参兵】

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