「ひとりぼっちの異世界攻略10」 五示正司

「ＦＴ(ファンタジー)なんてＦ(不思議)でＴ(適当)」
　遙の暴言の慰め。

　王国の使節団として獣人国ガメレーン共和国を訪問する遥たち使節団だが、亜人最強種とされる獣人族は遥だけを露骨に軽視する。強さを尊ぶ獣人はレベル至上主義。スキルの影響でレベルが低いままの遥は見下すべき弱者なのだ。
　もっとも遙も獣人たちが気に入らない。力こそ全てと言いつつ、いちばん強い者が王だとしながら、危険な魔の森から離れた場所に王城を築き、そこに籠もっているだけの連中だ。他の男子も女子も殺気まんまん、外交も社交もない。侮蔑するほど強いならかかってこい、強さが好きなら見せてやる。
　よろしい、ならば決闘だ！

　召喚された高校生たちを中心にダンジョン攻略が進む一方、魔物との戦いを己の権力抗争と蓄財にしか使わない連中は次第に追い詰められていきます。

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