付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「宇宙戦争1945」 横山信義

2013-04-25 | 破滅SF・侵略・新世界
 第二次大戦のさなか、真珠湾奇襲を試みた帝国海軍が謎のトライポッドに先手を取られたところから始まる、架空戦記での宇宙戦争。前作から2年、リアルタイムで1年近く経っての完結編です。

 世界大戦を起こすほど敵対し合い、疑心暗鬼に陥っていた世界各国だったが、かろうじて統合軍を発足させるまでに至った。ヒトラーやムッソリーニがチャーチルやスターリンと殺し合うことなく同席する日が来たのだ。
 だが、そこにもたらされたものは、太陽系外より敵本隊接近との報。本隊が地球到達するまでに、ボルネオの敵基地を破壊して揚陸を阻止しなければならない。
 世界の総力をあげた反攻部隊がついに動き出した……。

 地球の静止軌道直下、ボルネオの火星人基地破壊を試みるオリンピック作戦の顛末ですが、感想は「お約束」って素晴らしい!のひとこと。外伝としてスペースナチスとか宇宙戦争2013とかやれる余地も有りますね。
 敵対しあっていたものたちが苦難の末に一致団結しての反撃の開始です。残されたすべての工廠・造船所がフル稼働し、(当時の技術での)最新兵器を次々に前線へと送り出してきます。各地に散っていた艦隊や航空機のパイロットたちも続々集結してきます。
 なんというか、スーパーロボット大戦みたいなものかな。悔いを残さないよう、用意された晴れ舞台で後腐れ無く戦う巨艦、駆逐艦、重爆撃機たち。加藤隼戦闘隊から野中一家、空の魔王ルーデルやスターリングラードの白百合の競演です。
 ただ、個人的にはこの作戦に間に合わせるための技術者や作業員たちの苦労や奮闘まで読みたかったのですが、紙幅の都合もありますし、「この艦種にこんな兵装が」とか「この機体にこんなパイロットが」という意外性とトレードオフなので残念です。

【宇宙戦争1943】【横山信義】【高荷義之】【朝日ノベルズ】【「起こらなかった太平洋戦争」から始まった架空戦記】【D-Day】【アインシュタイン】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「宇宙の漂流者」 トム・ゴ... | トップ | 「織田信奈の野望10」 春日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

破滅SF・侵略・新世界」カテゴリの最新記事