付け焼き刃の覚え書き

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「将棋大名」 角田喜久雄

2023-03-17 | 時代・歴史・武侠小説
「運は忘れたころにやってくるというが、知識も忘れたころに役に立ってくる」
 若い頃に学んだ筆跡鑑定がこんなところで役に立とうとは……と平賀源内。

 安永8年1月、江戸の神田明神の境内で遠眼鏡を覗かせて見物人を集めていたのは、エレキテルなる奇怪な西欧魔術を行う奇人先生こと平賀源内。源内に同行している門弟の高島春作を迎えにきたお千代に、源内は遠眼鏡をのぞかせたのだが、彼女が見たものは湯島町の質屋の松の木から下がっている裸女だった……。

 動かせるはずのない位置に駒が置かれた、詰め将棋“死人詰め”の謎を軸に、妖怪若衆下村松之丞やら怪人将棋大名が策謀を繰り広げる中、連続殺人事件に挑む平賀源内の事件簿。そして紆余曲折あって好き合っている若い男女が結ばれるまで。男が先に動かなきゃいかんと言われたばかりだろう!?
 「角田伝奇の傑作」というふれこみだけれど、この7年ほど後には菊池秀行の『魔界都市〈新宿〉』、夢枕獏の『キマイラ・吼』の伝奇アクション2本が発表されるので、これらを読んだ後だと伝奇時代小説はちょっと食い足りません。

【将棋大名】【角田喜久雄】【小澤重行】【春陽文庫】【蘭学博士平賀源内先生大講義】【太閤秀吉】
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