ドキュメントと経済理論の対決
2024年1月4日
植田・日銀総裁の下で異次元金融緩和からの転換が始まろうとしています。タイミングよく中公新書から「財政・金融政策の転換点」(飯田泰之・明大教授)、岩波新書から「ドキュメン 異次元緩和」(西野智彦・元TBS報道局長)が出版されました。筆者も主張も好対照です。
ジャーナリストの手による岩波新書では、安倍・元首相が主導した . . . 本文を読む
政界版の資金洗浄に相当か
23年12月9日
自民党最大派閥の安倍派で中枢幹部6人がパーティー券収入から多額のキックバック(還流)を受けていた疑いで、東京地検特捜部が捜査しています。捜査対象はもっと大勢の議員です。次々に情報がリークされ、更迭は松野官房長官にとどまらず、岸田内閣は空中分解するでしょう。
空席となった閣僚ポストを受ける議員は、岸田内閣という泥船に乗ること . . . 本文を読む
トップにも中堅にも人材が不在
2023年11月14日
9月の内閣改造後、政務三役の更迭は3人目となりました。NHKの世論調査でも内閣支持率は29%(7ポイント下落)で瀬戸際の30%を割ってしまいました。普段は高目の支持率が出るNHKでさえこの有様ですから、今後、さらに支持率の下落は続くでしょう。
最近、はやりの「持続可能な開発目標」(SDGs)にちなんで言えば、「持 . . . 本文を読む
世論調査は6割が反対
2023年11月11日
岸田首相は年内の衆院解散を見送ることにしました。主要新聞は「首相の誤算」とか「支持率低迷で追い込まれた」などと書いています。首相にとっては誤算であっても、物価高対策としては無益な定額減税、選挙目当ての浪費とみて、6割が解散に反対(世論調査)していた有権者にとっては「勝利であり、朗報」であると思います。
日本の政治ジャーナ . . . 本文を読む
国も自治体も動きだしたら止められない
2023年10月6日
札幌市は2030年冬季五輪の招致を断念しました。東京五輪における増収賄事件で「平和の祭典」というイメージに泥を塗り、さらに国、自治体に大型プロジェクトを運営する能力がない。予算総額も発表当初は小さく見せかけ、最終的には2倍程度に膨れ上がり、「済みませんでした」と謝る手口が国民に通用しなくなったのです。
市は . . . 本文を読む
企業経営の基本を否定したも同然
2023年9月28日
岸田首相は26日、10月にまとめる経済対策の策定を閣議で指示しました。首相官邸で記者団に「物価高に苦しむ国民に成長の成果を還元し、コストカット型経済からの歴史的転換を図る」と述べました。
記者説明では「コストカット型の経済から30年ぶりに転換」と書いたパネルを持ち出しましたから、言葉の上滑りからでた発言ではなく . . . 本文を読む
民間企業なら倒産している別世界
2023年9月15日
岸田首相が内閣改造と自民党役員人事を行いました。「女性抜擢、刷新感アピール」(朝日新聞1面)、「女性登用、首相が転換。支持率上げ衆院解散」(同3面)、「年内でも衆院解散できるよう狙う」と、朝日新聞までが岸田内閣の広報担当紙の印象です。
世論調査をみると、内閣改造は評価されていません。読売新聞(15日)は「支持する . . . 本文を読む
民間にばかり要求する無責任
2023年9月2日
成長分野への円滑な労働力の移動などを促すための「学び直し(リスキリング)」を岸田政権は重要政策と位置づけ、5年間で1兆円を投入するという。衰退産業から成長産業への人材移動が必要なことは間違いない。
日経新聞が「リスキリングサミット2023」を開き、岸田首相、茂木自民党幹事長がメッセージを寄せています。二人の発言を聞いて . . . 本文を読む
政策を乱造し財政が悪化
2023年8月18日
岸田内閣の支持率が政権発足以来の最低を更新しています。世論調査では毎日新聞が28%、時事通信が26%、読売新聞が35%など、目を覆うばかりです。もう解散できる政治的状況ではないし、頻繁に総選挙をやるべきではないのです。解散できないし、やるべきでもない。
それにもかかわらず、政治ジャーナリズムは「支持率下落で年内の解散は困 . . . 本文を読む
異次元金融緩和の修正と両輪に
2023年2月27日
植田和男日銀総裁の就任によって、異常な金融政策は徐々に修正されていくだろうと期待します。そこに立ちはだかるのが政治サイドで、財政膨張しか念頭にないらしく、金融正常化をストップさせようとする圧力をかけてくるに違いない。
日本の23年度の一般会計は総額114兆円で、11年連続で最大を更新しています。普通国債残高は100 . . . 本文を読む
絶句する質の劣化が次々と噴出
2023年2月5日
首相を支えるべき荒井勝喜・秘書官が差別発言をして、更迭されました。機微に触れる差別問題に対するあまりにも無神経な表現といい、政権の中枢にいながら、「言っていいことと、言ってはいけないこと」の区別ができない。この官邸官僚の思慮のなさに驚きます。
このような人物に支えられる日本の政府、政治は大丈夫なのだろうかとも思います . . . 本文を読む
財源が不足なのに手を広げすぎ
2023年1月25日
そんなに何から何まで、国ができるのだろうか。そんなにたくさんの政策を背負いこむ財源はあるのだろうか。国でできないことも多いのに、できると錯覚する。国でできることがあっても、財源が足りない。岸田首相の施政方針演説を読んで、多くの人がそう感じたのではないでしょうか。
岸田氏に限らず、歴代首相の多くに感じてきたことです。 . . . 本文を読む
戦うつもりなどなかった自衛隊
2023年1月9日
毎年5兆円だった防衛予算が来年度、一気に6・8兆円(26%増)に増え、さらに5年間で43兆円を計上、単年度ではGDP比2%まで引き上げることになりました。安全保障面の国際情勢が急速に悪化しているためです。
メディアは「自衛隊が装備を購入し、訓練するだけでなく『働く時代に』に入った」とか、「危機発生時には『戦える自衛隊 . . . 本文を読む
メディアも識者もわめくだけ
2022年12月29日
秋葉復興相が公職選挙法違反などの疑惑を指摘され、岸田首相に辞表を提出、更迭されました。閣僚の辞任は10月以降、4人目で、首相が任命した閣僚19人中4人を数えます。民間会社なら役員が4人も続けて辞任すれば、経営トップの首も危ういのに、政治ではそうにはならないようです。
新聞・テレビなどのメディアや識者らが「首相の任命 . . . 本文を読む
新しい資本主義より新しい政治を
2022年11月13日
葉梨康弘法相が「死刑のハンコ」発言、「法相は票とお金に縁がない」発言で、辞任に追い込まれました。失言ではなく、本音、暴言でしょう。山際経済再生相に次ぐ2人目の辞任です。「閣僚辞任ドミノ」で岸田政権の前途には暗雲が漂ってきました。
岸田政権の看板である「新しい資本主義」どころではありません。それより「新しい政治」 . . . 本文を読む