「真・女神転生」を下敷きにしたやる夫作品。
「ロンメル・ザ・ヒーロー」というタイトルは内容を凝縮したもの。つまりロンメルがザ・ヒーローということだ。主人公の行動とかの選択肢に基づいて、例えば絶対的に法と秩序に従って神の国をつくることに向かうのがロウLaw・ヒーロー、力こそ全てで法や規則をぶっちぎり自分の信念に従うカオスChaos・ヒーロー、そのどちらでもないザ・ヒーローと評される。ロウとカオスというのはとかくアトラスの女神転生、その女神異聞録ペルソナでもキャラクター属性として根幹を担っていて、だいたいカオスが怪物や悪魔、ロウが神や天使に関係する悪魔と関わり合いを持つ機会が増える。
主人公をやる夫と評していいのかわからない。周りの誰もがやる夫のことをやる夫と呼びかけ、やる夫もそれを流しているが、ところどころで「通りすがりのエルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメルだ 憶えとけ!」と自分を指して言うことがある。間違っているのは自分か、周りか…
周回プレイなんかさんざんやってきたような手慣れた様子で最速攻略をしていく様はゲームプレイヤーのようで、ゲームの世界の主人公としてRTAしている感覚だ。どういうわけか世界の仕様を知っていて、例えばテレポートしてから1/256の確率で出てくる敵から1/256でドロップする武器を拾う為にひたすらリセマラするのは完全にゲーム的だし、そのひた走るやる夫に対して登場するロウ・ヒーロー、カオス・ヒーローの役割を果たす登場人物たちへの対応もかなりの塩だ。一方でアリス加入イベントなんかはかなり興奮した面持ちで取り組んでいて、母親と各ヒーロー達への対応とは明らかに差がある。そしてやる夫と似たような感覚の仲魔たちという、連れとわいわい旅しながら最速攻略しているような展開になる。
最後に長年の疑問として…とやる夫の試してみたことによって、しんみり片付く結末をちゃぶ台返し、最後の最後まで一貫して好き放題やって終わるところの痛快さがとてもいい。
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