「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
当社は先週、ある会社の2日間にわたるオンライン研修を担当いたしました。対象は監督職昇格者の方々です。監督者は、実務の責任者としてメンバーの力を引き出し、チームに課せられた目標を達成することを求められています。したがって、この研修は会社の「エンジン」とも言うべき人たちのスキルを上げる非常に重要な役割を担っています。
コロナ禍の現在、残念ながら研修を「不要不急」と考えて実施を見送る企業も少なくありません。国語辞典によれば「不要は不必要、無くてもよいこと、またそのさまを表す語で、不急は差し迫っていないこと、またそのさまを表す語」とあります。
つまり、会社にとって研修および人材育成は「無くてもよい」あるいは「差し迫ってはいない」と考えている経営者が少なからずいるということです。
確かに、研修を行わなかったら明日から売上が激減するとか、せっかく採用した若手社員が辞めてしまうといったことは起こらないでしょう。しかし、今、研修を行わなければ来期、来年さらに将来、より大きなダメージが生じることになります。
それはちょうど、育てている植物に水を与えないのと同じことです。水やりを忘れたからといって、瞬時に枯れてしまうことはありません。それでも何日か過ぎてから水を与えても手遅れになることがあります。
研修は会社という大きな植物に水や肥料を与えること、すなわち育てることです。「不要」でもなければ「不急」でもありません。会社にとって重要かつすぐに行うべきことです。
冒頭の監督者研修を実施した企業は、十分にそのことを理解されていました。昨年度に決定していた研修実施日を変えず、集合研修からオンライン研修に切り替えたのです。
私は「中止か延期をお考えにはなりませんでしたか?」と担当部署の方にお聞きすると、不思議そうな顔をして「いいえ。当たり前ですが、人材育成を遅らせたり中止にしたりするなど絶対にあり得ません。」とお答えになりました。
「では、研修自体の内容や効果はオンラインになって変化しましたか?」とお聞きすると、「いいえ。集合型研修とまったく変わりませんでした。」とのこと。
もちろん、オンライン化に伴う運営方法の変化については、いろいろご苦労があったと思います。それでも、最も大事な「研修の目的」が達成できたことに安堵を覚えていらっしゃいました。
経営者のみなさん、「3密」の研修が無理ならオンライン研修に切り替えましょう。
将来会社が枯れてしまわないよう、今すぐに。