「うちのかみさんがね・・」「それともう一つ・・」犯人を追い詰めて行く時の刑事コロンボの台詞です。
「疑ってるんでしょ?」と犯人に聞かれた時の古畑任三郎は、「疑う?と、とんでもな~い…」という決め台詞を使っていました。
コロンボも古畑任三郎も徹底的に現場を調べ、客観的かつ現実的な証拠に基づきぐうの音も出ないように犯人に迫っていく様は、ドラマならではのユーモラスさもあり、とても楽しい番組でした。
ところで、今考えるとこの二つのドラマは、まさに3現主義を徹底していたのだと思います。3現主義とは「現場」「現実」「現物」のことです。それぞれの頭に「現」の字がつくことから3現主義と言うのですが、もともとはあの本田宗一郎さんが作られた言葉です。
「現場」に足を運び、場を確認する
「現物」を手に取り、物を確認する
「現実」をこの目で見て、事実を知る
例えばクレームがあった時、机に座ったまま対応するのではなく、現場に足を運んで現物をこの目で見て、できるだけたくさんのデータを集めることで、はじめて事態を客観的にとらえることができるのです。
また、お客様に直に接することで、お詫びの気持ちを誠心誠意伝えることもできます。
私たちは、忙しいことを理由に現場に足を運ばず、ついつい電話やメールで済ませてしまうということがあります。それは一見効率的と考えられますが、そこまでのことが多いのです。
実際に現場に行ってお客様にお会いすると、「ここだけの話」と思いがけずフレッシュな情報を聞かせていただけることがありますし、時には新たな案件の提案依頼をいただくこともあります。いずれも、現場でお客様と時間を共有することで、電話やメールでは得られない情報や機会を得られた例です。
遠方であったり毎年継続的な案件をいただいているお客様などの場合、足を運ばずつい電話やメールで簡単に済まそうとしてしまうことがありますが、先日それではいけないと考えることがありました。
研修で長年お付き合いをいただいているお客様から職場見学の機会を頂戴しました。複数の職場をご案内いただいてインタビューをさせていただいたのですが、想像以上に有意義な時間になりました。
深くお付き合いをいただいているので、普段から会社案内やホームページを丁寧に確認しているつもりでいたのですが、現場に伺い、そこで働いていらっしゃる方から直接お話を伺い、仕事の詳しい内容や研修の成果が仕事の中でどのように生かされているのか、職場でどのような問題が起きているのかなどをあらためて知ることができ、理解を深めることができたのです。
これはまさに、3現主義の成せる業だと思います。
いかがですか。皆様、是非「現場」に足を運ぼうではありませんか。まさに「真実は現場にある」のですから。
(人材育成社)