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第1,236話 要望に応じられないときの聴き方とは

2024年10月16日 | コミュニケーション

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「顧客の要望に応じることができないときにも、傾聴しなければならないのでしょうか?」

これは先日、弊社が公開型のセミナーを担当させていただいた際に、一人の受講者から受けた質問の内容です。

具体的に話しを聞いたところ、接客時に顧客からの苦情があったものの要望に応じることができない内容だったため、お詫びとともに対応できない旨を伝えたのだそうです。その際、顧客から「私の話に頷いたり、『ええ』や『はい』と言いながら聴いていたじゃないか。それなのに対応できないというのか。だったら頷いたりするんじゃない」と厳しい言い方をされてしまったとのことでした。

一般的には、顧客の要望に応じられない場合であっても、相手の話をしっかり聴く姿勢を示すことは接客対応として重要であると考えられています。その理由としては、頷いたり相槌を打ったりすることで相手への理解を示すとともに、相手の感情をも尊重しているということを表現でき、それらにより顧客との信頼関係を構築することができるからだと言われています。

しかし、頷いたり相槌を打ったからと言って、顧客の全ての要望に同意したことを示すものでないことは言うまでもないことです。とは言え、特に苦情への対応の場合には利害が絡んでいることも少なくないことから、頷くや相槌などの「非言語」が相手方の主張を承諾したかのように受け取られてしまうことがあるのだろうと思います。そして、こうしたことは苦情対応に限らず交渉事や営業などの場面でも少なからず同じことが言えるのではないかと思います。

このように、主張をする側は何とか自分の要望・要求を認めてほしいと思ってそれをしている中で、それにかかるやり取りも自分の都合の良いように受け取ってしまいがちだと考えられます。それでは冒頭の話のような場面ではどのように対応すればよいのでしょうか。

苦情や要望などへの対応には、唯一絶対の方法といったものがあるわけではないと思います。その都度、状況に応じた臨機応変な対応が求められるのも事実ですが、くれぐれも注意をしなければならないのは、苦情や要望に対して嫌々対応しているという雰囲気を出してしまわないことが重要です。

そのためにも何と言っても必要になるのは、やはり「相手の話をしっかり聴くこと」になります。同時にそれが顧客に伝わらないと「話を聴いていない」などと新たな苦情につながってしまいかねないことから、話をしっかりと聴いていることを示すために「相手の目を見る」こと。そして、話が長いようであればメモを取ることがお勧めです。

そして、相手の話が終わった際に、「お客様のご要望は〇〇ということですね。」とメモを見ながら要約し、「内容は理解しました。」とお伝えするとスムースにやり取りが進むのではないかと考えます。そして、そのうえで要望を受け入れらないないことを丁寧に説明して理解していただけるようにしていくという、一連の流れで進めていくことが大切であるというように考えています。

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