自燈明・法燈明の考察

選挙権の行使について

 ちょっと記事を書くのに時間が空いてしまいました。仕事もバタバタ気味で、先日は久しぶりに出社。しかし仕事がそんな状況でも、その合間でも私の頭の中には様々な事が去来し、いろいろと考えていました。

 そう言えば本日は東京都都知事選の最終日。まあ以前はこの投票日が決戦の日みたいになっていましたが、近年では期日前投票も常識となってきてますので、当日の決戦感は下がってきましたね。

 新型コロナウィルス(武漢肺炎)のパンデミックにより、世の中の形は嫌が応にも変わらざるを得なくなってきました。五月末には下がっていた国内の感染者数も、ここ最近、東京都を中心に増加傾向が続いています。
 私の見える範囲の社会から考えるに、緊急事態宣言か解除となり、東京アラートも解除になってから、社会は以前の日常の姿に戻り始めています。通勤電車も混雑しはじめていますし、繁華街にも多くの人が戻り始めています。

 夜の飲み屋街でも、赤ら顔した上機嫌な人達がちらほらと出てきています。



 日本では各企業や各店舗で「感染防止策」を徹底していますが、このパンデミックの相手はウィルスです。このウィルスとは細菌と比較してもさらに微細な存在なので、どんなにアルコール消毒を徹底しようと、完全に防護できる訳ではありません。しかもこのウィルスは飛沫によるエアゾル感染すると言うのですから、手洗いや消毒の徹底、また各自の免疫力向上もそうですが、一番効果があるのは人同士の接触機会を減らす事。これしか無いのです。

 しかしそれでは仕事にならない人達も多くいます。
 この世の中で生きて行くには、人は仕事で稼がない限り、自分が生きて行く権利を維持する事ができません。要は「稼がない人は生きてはいけない社会」なのです。

 ではこのパンデミックの世界の中で、果たして働けない人達が出た場合、これをどうするのか、そこは国家としての政治課題です。そしてこの国家としての政治課題について、国民として意志を表明するのが選挙です。

 本日は東京都知事選挙の当日ですが、東京都民は今の政治(東京都政)に対して、どの様な姿勢を示す事が出来るのでしょうか。一つ指標となるのが、投票率です。昨今では選挙全般で投票率が低迷しています。平均して50%前後で、人々の半分前後の人しか意志を表明しない社会です。

 「どうせ投票してもしなくても、この世の中は変わりはしない」

 確かにそうかもしれません。今の選挙制度では民意を完全に反映する事はできないでしょう。しかし現在行われている政策、例えば今回の東京都知事選挙では、その都知事が行ってきた都政に対して「YES/NO」を示す意味があります。またその際、本来自分としては、どの様な意見を持っているのか、その政治信条に一番近い候補者に対して投票するのが選挙の意味となります。

 確かに一票では世の中を自分の想い通りに出来る訳ではない。ただそれまでの政治家の取り組み、今回は東京都知事選挙なので小池都知事の都政に対して、YESかNOか、姿勢を示す事が出来るのです。

 今の民主主義という制度で、投票行為にはそういう意味があるのです。そうであれば「一票投じた処で何も変わらない」という言葉はあり得ないのです。つまるところ、今の日本では民主主義の基本的な処の教育が為されていないという事なのかもしれません。

 また選挙ではBESTはあり得ません。
 何故ならば、国家や地方自治体には様々な人達が生きています。そしてそこには様々な利権というのが常に発生しています。ここで言う利権とは単に企業や組織相手に言う事だけではありません。個人にとっても利権は存在するのです。様々な利権がある以上、政治となれば駆け引きという事も存在するのです。だから選挙ではBESTではなく常にBETTERで自身を表明するしかありません。

 この今の民主主義の制度の中で、投票を棄権するという事、また他者に判断を依存して投票するというのは、結果として国家や地方自治体の中で、姿勢を表明する事を放棄したという事に等しい行為です。それはつまり、その社会において意見を言う権利を放棄する事と同様であり、自身の持つ人間としての権利を放棄する行為に等しい事なのです。

 恐らく投票で罰則を設けている国では、そういう意味から罰則を設けているのかもしれません。

 とは言いながら、今度、投票を真剣に取り組もうとすると、様々な情報を自分の中に入れ、考えて判断する必要が出てきます。何も知らずに意見持たず、単にロシアンルーレットの様に投票するというのは投票の棄権や棄票と同じ行為に他なりません。こちらも同様に人間の権利を放棄した姿に通じます。

 民主主義とは、そういう意味ではとても面倒くさい制度なのです。

 今回の東京都知事選挙は、パンデミックになってから初めての選挙です。
 先にも述べましたが、パンデミックとは人との接触を避ける必要があり、その中での投票となります。果たして今回の東京都知事選挙の結果がどうなるのか。それが今後の日本の選挙に於ける試金石にもなるのです。

 まさに今の日本社会では、感染症の拡大により、一人ひとりの政治の姿勢が問われる時代となっています。是非とも東京都民には、これからの日本の選挙に対して、賢明な姿勢で投票をして頂きたいものですね。



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