自燈明・法燈明の考察

戦争について引き続き考えてみた

 ここ最近、Kindleで本を読みふけっている事が多く、ブログの更新も少し間が開いてしまいました。

 ここ最近では新型コロナの新規感染者数も一時期よりも減少して、報道内容を見ている限りでは、何やら終息に向かっている様な雰囲気を醸し出していますが、私は個人的に新型コロナの報道や政府の動きには、何か作為的なものを感じてしまっているので、この状況を素直に受け入れられていません。
 要はこの感染者の減少についても、政府は明確にその要因を掴めておらず、いわば「実証実験」として、緊急事態宣言を解除したんですよね。世の中はあちらこちらで「飲み会」が再開し、各種イベントも再開しているようですが、よくこの「実証実験」に、日本国民は積極的に参加できるものだと、個人的には感じています。

 まあ考え方は、人それぞれですけどね。

 さてそんな中、九月頃には沖縄の航空自衛隊の那覇基地では、一日に六回のスクランブルがかかり、台湾海峡の南西部では、中国軍用機の領空侵犯が増加していると言います。



 なにやらきな臭くなって来ていますね。
 台湾を「中国の領土」と中共は言っていますが、もともとは台湾人の島であり、中国の内戦によって中華民国政府が逃げ込んだ先が台湾です。だから安易に「一つの中国」と中共が主張する事はどうなのかと思ったりしましたが、考えてみれば中共がまだ大人しい時、アメリカなど世界は「一つの中国」を認めていたりしたんですよね。でも最近になり、中共がかなり「やんちゃ」な事を始めだしたので、世界的にも「あれ?台湾って中国のものだっけ?」という論理が出てきたのではないでしょうか。

 世界というのは、何かとご都合主義で動くものですね。

 ただこの台湾周囲でもし有事が起きた場合、恐らく日本も他人事ではいられません。なぜなら以前に麻生財務大臣(副総理)は、台湾海峡で有事が発生した場合、その時は日本にとって「集団的自衛権の行使」が行えると明言しました。与那国島は台湾のすぐ隣だし、過去に沖縄について「もともと沖縄は中国の領土だ」という発言をした中国の学者がいて、それを中国は対外的にも発信していた事もあります。またアメリカが台湾で問題が発生し、そこに軍事介入したとしたら、日本の自衛隊も動かなくてはならなくなる可能性も大きいと思います。

 戦争とは、自分達だけが「私は戦争反対です」と言っても、抑えられない事があるというのは、世界の歴史を見ても当たり前にある事です。この事について、日本人は歴史を学んでいないので、なかなか理解できない処の様ですね。

 いま「日米戦争を策謀したのは誰だ」(林千勝著)を読んでいますが、そこでは太平洋戦争開戦に至るまでのアメリカ国内の動きが良く調べて書かれていました。
 近年になり、この日米開戦で「ハル・ノート」という、当時のアメリカの国務長官であるコーデル・ハル氏のメモが話題になっていました。この文書はアメリカの外交文書ですが、そこを見るとアメリカから追い詰められていた当時の日本政府の事がうかがえる内容でした。

 連合国軍最高司令官のマッカーサー元帥は、先の太平洋戦争を「日本が自衛戦争の為に起こした」と言っていましたが、この「ハル・ノート」それを補完するような内容であったのは最近になり解ってきたことです。

 要は太平洋戦争とは、当時の日本にとって「自衛戦争」であったというのが、最近、こういった歴史文書から垣間見えてきているという事です。

 アメリカは西欧列強の中で、後発になっています。アメリカがアジアに進出した時、そのアメリカが狙っていたのは中国での権益だったと言います。そして中国の権益を得るのに邪魔な存在であったのは日本だったと言う説があります。その為に、日本を国際舞台から排除して追い詰めていった。結果として日本は暴発したように、アメリカに対して開戦に踏み切らざるを得なかった。

 これが最近になり言われている「太平洋戦争」の姿です。まあ結果としては、国力の差も激しく、資源の乏しい日本はアメリカをはじめ連合国に敗戦しました。

 私が子供のころに教わったのは、太平洋戦争は日本が始めたアジアへの侵略戦争であり、日本はとんでもなく悪い事をした。その反省から日本は軍備を一切放棄して、戦争放棄を憲法九条に謳い、平和な国となったという事です。でも最近垣間見える太平洋戦争の姿は、それだけではないという事、また日本には様々な問題もありましたが、けして「正義と悪の戦いで、日本は悪だった」というものでは無いという事です。

 考えてみれば世界の国々の中には「戦争をしたい」という勢力がいます。戦争とは国の行う最大の「公共事業」であり、そこに関わる事で莫大な富を得る人達がいます。そういう人達が彼らの政府に関与する事で、戦争が始まる場合もあるのです。近年ではアメリカが中東各地で戦争していましたが、この「戦争したい」という国の筆頭には、アメリカも入るのではないでしょうか。

 だからもし「戦争反対」「平和国家」を維持したいのであれば、単に自国の憲法を堅守するだけではなく、そもそも外交努力と情報収集の能力が必要になりますし、一番大事なことは「政治力」と「外交力」を強化する事ではないでしょうか。

 最近、自民党の高市女史は「国を守りたい」「国民と国土を守りたい」と、勇ましい言葉を並べていますが、では彼の女史は、こういった国家のビジョンを持っているかと言えば、どうも「勇ましい言葉の羅列」で一部の人達を煽り立てている様にしか見えません。

 何やらきな臭くなってきている極東アジアの中に、日本という国はあります。そろそろこういった事も真剣に国民は考えなければならない時に来ているのではないでしょうか。

 武装放棄、戦争放棄。勇ましい言葉だけでは、国家を守る事は出来ません。


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