自燈明・法燈明の考察

【UAP問題考察3】軍産複合体について

 アイゼンハワー大統領は1961年で二期八年の任期を終えて大統領を退任しました。前の記事でも大統領の周辺にあった様々な話の中から、代表的な話題を紹介させて頂きましたが、アイゼンハワー氏が大統領在任期間を振り返って考えてみれば、第二次世界大戦が終了し、世界は東西冷戦へと進んでいく最中の期間の大統領でした。つまり二十世紀最大の「熱い」大戦から、急速に「冷たい」大戦へと移行する時期に、大統領としてアメリカの舵取りを行う重要な役割を担っていた訳です。

 アイゼンハワー大統領の次の大統領は、有名なジョン・F・ケネディ氏が第35代大統領に就任しましたが、皆さんご存知の様に彼は1963年11月にテキサス州ダラスの地で暗殺されてしまいました。ケネディ大統領暗殺には多くの謎があり、当時、この事件の調査を行ったウォーレン委員会が、この暗殺の件については2039年まで情報を公開しない事を決定したのです。

 最近になってアメリカの映画でオリバー・ストーン監督の「JFK新証言 知られざる陰謀」が公開され、そこでは新たに解禁された数百万ページの文書から重要な発見をあぶり出して再検証されていましたが、そこではどうやらFBIやCIA等の政府機関も関与していたという話が出て来ています。
 これは以前から言われていた事ですが、ケネディ大統領暗殺には、彼が法的に持っている大統領権限を用いてCIAの解体や軍産複合体の解体を着手したとか言う事が要因の一つであったという説もありました。その他にも、実は異星人の存在を公表しようとしたという話題もありますが、明確な事はやはり2039年まで待たなくてはならないようです。先のアメリカ大統領だったトランプ氏も、在任中にこのケネディ大統領暗殺事件の内容を公表しようと考えていた様ですが、国家安全保障上の理由で断念してしまいました。

 私はこれらの話題の中で「軍産複合体」という事に、とても注目しています。

 実はアイゼンハワー大統領は退任時の演説で、この軍産複合体の危険性について触れ、警告をアメリカ市民に投げかけていました。そもそも軍産複合体とはどの様なものなのか、その事についてはこの退任演説の中で語られていますので、そこを引用しながら簡単に説明をしたいと思います。

※)アイゼンハワー大統領退任演説引用元:ペガサスホームページ
(https://ad9.org/pegasus/Education/docs/EisenhowerAddressJE.pdf)

最後の世界戦争までアメリカには軍事産業が全くありませんでした.アメリカの鋤*の製造者は,時間をかければ,また求められれば剣[つるぎ]も作ることができました.しかし今,もはや私たちは,国家防衛の緊急事態において即席の対応という危険を冒すことはできません.私たちは巨大な規模の恒常的な軍事産業を創設せざるを得ませんでした.これに加えて,350 万人の男女が防衛部門に直接雇用されています.私たちは,アメリカのすべての会社の純収入よりも多いお金を毎年軍事に費やします.
莫大な軍備と巨大な軍需産業との結びつきと言う事態はアメリカの歴史において新しい経験です.その全体的な影響は--経済的,政治的,そして精神的な面においてさえ--すべての都市,すべての州議会議事堂,そして連邦政府のすべてのオフィスで感じ取られます.私たちは,この事業を進めることが緊急に必要であることを認識しています.しかし,私たちは,このことが持つ深刻な将来的影響について理解し損なってはなりません.私たちの労苦,資源,そして日々の糧,これらすべてが関わるのです.私たちの社会の構造そのものも然りです.

 上記は退任演説の中から抜粋したものですが、そもそもアメリカはモンロー主義のもとで、ヨーロッパ諸国との間には相互不干渉という立場をとっていました。その事から当時のアメリカには即応できる軍事産業は存在しなかった様です。しかし第二次世界大戦でアメリカも参戦する事となり、そこで軍需物資を揃えるためには「巨大な規模の恒常的な軍事産業を創設せざるを得ませんでした」という事です。簡単に言えばアメリカ軍部と製造業(軍需産業)の結びつきを作り上げた、それが軍産複合体というものでした。そしてこの軍部と産業の複合体は先の大戦の中で経済的、政治的な結びつきを強化するのみならず、精神的な面の結びつきも強固なものになったというのです。退任演説の続けて紹介します。

我々は,政府の委員会等において,それが意図されたものであろうとなかろうと,軍産複合体による不当な影響力の獲得を排除しなければなりません.誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し,また存在し続けるでしょう.この軍産複合体の影響力が,我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらすことのないよ
うにせねばなりません.何ごとも確かなものは一つもありません.警戒心を持ち見識ある市民のみが,巨大な軍産マシーンを平和的な手段と目的に適合するように強いることができるのです.その結果として安全と自由とが共に維持され発展して行くでしょう

 この部分を読むと、アイゼンハワー大統領はこの軍産複合体について、極めて危険であると警告を発していたのが判ります。おそらく大統領在任期間中、この軍産複合体の「不当な影響力の獲得」「誤って与えられた権力の出現」を感じ取り、「我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらす」事に危惧を抱いていたと思うのです。

 これは1961年の時の話です。それから半世紀以上経過した現在に於いて、この軍産複合体はどこまで膨張しているのか、明確な事は判りません。ただ一つ言える事は、近年、世界各地で発生しているアメリカが関与した国際紛争も、その思惑の背景にこの軍産複合体の存在は常にささやかれているのです。そして実は、UAP(UFO)に関連する技術関連の情報もこの軍産複合体の中で「企業秘密」として囲い込まれていると最近では言われているのです。

 「何をSF的な陰謀論を言っているんだ?」

 これを耳にした人の大半はその様に考えるでしょう。それは極全うな反応だと思います。しかしまず考えなければいけないのは、軍事技術というのは民需技術よりも常に20年~30年は先に先行していると言われています。私達がいま日常的にスマートフォン等で利用しているインターネットの技術にしても、ARPAネットというアメリカ軍で開発されていた技術が東西冷戦の終結に合わせて民間に開放された技術であり、その研究は1960年代には始まっていたと言われています。

 その中で、地球外文明(異星人文明)からリバースエンジニアリングにより獲得した技術的なノウハウがあったとして、それがまだ例えばアメリカ合衆国政府の管理下にあったのであれば、開示というのはまだ容易であったと思います。何故なら形式的であっても、政府とは国民が動かす事が出来る仕組みがあるからです。しかしもしそれが多国籍大企業の中で「企業秘密」として秘匿されてしまったのであれば、恐らく一つの国民が幾ら要望しようと開示されるのは極めて困難であり、しかもその企業が複数国にわたる拠点を持つ多国籍企業であれば、そのハードルは猶更高くなり、容易に一般の人々の手に届かなくなるのは自明の理です。

 これは後の記事に書いてみたいと思いますが、スティーブン・グリア氏がアメリカで行っている「ディスクロージャー・プロジェクト」では、多くの元軍関係者や政府関係者がUAPの事や異星人の事、またそこからリバースエンジニアリングで獲得されているテクノロジーの事について証言をしています。いままでUAP(UFO)や異星人関係の情報はアメリカ合衆国政府が秘匿していると言われていましたが、このディスクロージャー・プロジェクトで証言している多くの人の話を聞いていると、どうやらそういった情報は既に軍産複合体の方にシフトしており、アメリカ合衆国一国でもコントロール出来ていない事が見て取れるのです。

 この軍産複合体について、わかる範囲で以下に関連している企業名(抜粋)を列挙しておきます。

 ・ロッキード社/ボーイング社/レイセオン・テクノロジーズ社/ロッキード・マーチン社/ノースロップ・グラマン社/ゼネラル・ダイナミクス社/etc

 考えてみれば既に経済的に今の国際社会には「国境」は存在していないも同然な状況です。これはつまり資本のコントロールが、国家という枠組みで完全に舵取る事が出来ない状況である事を表しています。いま陰謀論の界隈では「グローバルリセット後の世界」としての「世界統一政府」なるものが話題になっていますが、こういった状況を鑑みると、既にそれは実行段階に入っているのかもしれません。

 実は多くの人々が「眉唾の話題」「単なる陰謀論」と言って楽観視している間に、国際社会の中では既に次のステージへの動きが始まっているのかもしれません。UAP(UFO)を着眼点として世界を見てみると、実はそういった事がおぼろげながら見えて来てしまうのです。


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