韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
平成30年12月25日 防衛省
12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、
海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、
防衛省から公表を実施しました。
本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に
誤認があると考えています。
まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを
基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、
火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。
また、海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって
飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
加えて、海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の
計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。
防衛省としてはこのような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く
求めてまいります。こうした事案によって日韓防衛当局間の連携を損なうことがあってはならず、
今後、日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。
「政府は厳しい対応を」 レーダー照射問題で紛糾
25日、自民党が開いた防衛関係の緊急会合。
小野寺前防衛相は、「今回の件に関しては、わたしは、政府はもっと厳しく韓国に対して対応すべきだと
思っている」と述べた。
自衛隊機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された問題で、韓国を厳しく非難するとともに、
日本政府に、より強い対応を求める声が相次いだ。
自民党議員「韓国という国はここまでおかしくなったのか」、「国としての謝罪が最低ラインだ」、
「国家の問題となっている。口頭でも脅しをかけてほしい」などとした。
この問題について、防衛省は25日、レーダー照射を否定する韓国国防省の説明に対し、具体的に反論した。
岩屋防衛相は、「照射があったことは事実と考えている。韓国側の見解は、事実関係の一部に誤認があると
考えている」と述べた。
まずは、「レーダー照射はしていない、カメラで撮影したのみ」と主張する韓国側に対し、防衛省は、
哨戒機が収集したデータを解析した結果、火器管制レーダー特有の電波の照射を一定時間継続して、
複数回確認していると反論。
さらに、日本の哨戒機が駆逐艦上空に異常接近したとする韓国側の説明については、法令を順守し、
駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、低空飛行した事実はないと否定している。
そして、韓国側が哨戒機からの無線に駆逐艦が応じなかったのは、通信が微弱で、内容を認知で
きなかったためとしていることについては、3つの周波数を用いて英語で3回呼びかけたと具体的な
文言を示し、反論した。
韓国側の説明については、自民党の会合でも「うそをついていると言わざるを得ない」との声が出ている。
また、午後に超党派の議員が開いた韓国議員による竹島上陸をめぐる会合でも、レーダー照射問題をふまえ、
非難が相次いだ。
新藤元総務相は、「今、韓国全体が情緒で動いてしまっている。政権の運営能力はもうない。
外交は死んだも同然」と話した。
レーダー照射問題について、政府は、今後、防衛当局間で協議していく方針。