[ワシントン 14日 ロイター] - 中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)は
14日公表した報告書で、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対し
「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯した可能性があるとの見解を示した。
同自治区で「非人道的犯罪、おそらくジェノサイドが発生している」という新たな証拠が過去1年間に
示されたとしている。
また、中国が米国でウイグル族への嫌がらせ行為をしているとも非難した。
在ワシントンの中国大使館は14日、CECCは「中国を中傷するため、あらゆるうそをでっち上げる
ことに執着している」とし、疑惑を否定した。
大使館の報道官は「いわゆる『ジェノサイド』は、反中勢力が意図的に広めたうわさで、中国の信用を
傷つけるための茶番だ」と述べた。
CECCは米政府に対し、新疆ウイグル自治区で「残虐行為が行われているかどうか」正式な判断を
求めた。政府は昨年12月27日に可決された法案に基づき、90日以内に判断を下す必要がある。
ポンペオ国務長官は認定する方向で検討してきたが、当局者らは現在の政局混迷を踏まえ、バイデン
次期大統領の就任までに判断が発表される可能性は低いとみている。
国務省はコメント要請に応じていない。
CECCの共同委員長を務める民主党のジム・マクガバン下院議員は、過去1年間の中国による人権侵害
は「衝撃的で前代未聞」とし、議会と次期政権に対し、中国の責任を追及すよう求めた。
ウイグル人大量虐殺は「言語道断のうそ」 中国、米の認定を一蹴
中国・新疆ウイグル自治区カシュガル北郊にある、イスラム系少数民族が収容されているとされる「再教育施設」(2019年6月2日撮影)
【1月20日 AFP】中国がイスラム系少数民族ウイグル人のジェノサイド(大量虐殺)に及んでいると
米国が認定したことについて、中国側は20日、「言語道断のうそ」であり「害悪」だと一蹴した。
外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は、退任直前のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官
によるジェノサイド認定を批判するとともに、ポンペオ氏は在任中「扇動的なうその主張」を繰り返して
きたと非難した。
ポンペオ氏は19日、中国政府が西部新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で主に
イスラム系の少数民族を強制収容していることは、ジェノサイドと人道に対する罪に等しいと述べていた。
華氏は翌20日、ジェノサイドは「中国国内で過去に一度も起きたことはなく、現在も起きておらず、
この先も決して起きることはない」と明言した。
人権団体は、ウイグル人をはじめとするチュルク語系イスラム教徒ら100万人超が、新疆ウイグル
自治区の複数の強制収容所に収容されていると指摘。
証人や人権活動家らは、中国政府がウイグル人に対し、イスラム教で禁じられている豚肉食や飲酒を
強要するなどしてイスラムの習慣を奪い、多数派の漢文化に無理やり融合させようとしていると訴えて
いる。