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「北朝鮮は国ではない」。南北合意書批准、野党に反論するため自己矛盾に陥った韓国大統領府➡「北は国家でない」発言が物議 韓国大統領府が釈明

2018-10-26 12:16:33 | 朝鮮半島有事・非核・南北朝鮮

「北朝鮮は国ではない」。南北合意書批准、野党に反論するため自己矛盾に陥った韓国大統領府

 南北軍事合意書の批准について、韓国野党各党が「主要な条約について国会での同意を

得るよう定めた憲法第60条違反」と主張しているのに対し、

韓国大統領府は24日「北朝鮮は国ではない」との論理でこれに反論した。

しかし野党各党は「文在寅(ムン・ジェイン)政権はこれまで北朝鮮を事実上の国家として認め、

南北首脳会談などに取り組んできた」とした上で「野党の主張に反論するため、これまで

自分たちがやってきたことと正反対の考え方を主張する自己矛盾に陥っている」と指摘した。

 

 韓国政府は今年7月、中学高校の歴史教科書から「大韓民国は韓半島(朝鮮半島)における

唯一の政府」という文章を除くことを定めた執筆基準を確定した。現行教科書の執筆基準には

「国連から韓半島における唯一の合法政府として承認された事実に留意する」と記載されている。

しかし今回の決定を受け「南韓(韓国)と北韓(北朝鮮)のそれぞれの政府の成立過程と

体系的特徴を比較する」に変更されることになった。統一部(省に相当)統一教育院が発刊した

統一教育指針書でも今年から「合法政府」という文言が削除された。

 

 文大統領は平壌首脳会談期間中の先月19日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党

委員長と共に北朝鮮のマスゲーム「輝く祖国」を観覧した直後の演説で「『南側の大統領』として

金委員長の紹介を受けあいさつすることになった。その感激は言葉で表現できない」と述べた。

 

 さらに今年8月15日に行われた「第73回光復節(日本による植民地支配からの開放を記念する日)

および政府樹立70周年記念式典」において、文大統領は「政府樹立」に関しては短くしか語らず、

また「建国」という言葉は一言も口にしなかった。これについて野党各党は「韓半島における

唯一の合法政府である大韓民国の正当性を政府自ら否定する結果を招くだろう」と批判してきた。

国会も北朝鮮と今月末開催を目標に「南北国会会談」の準備を進めているが、これについて

保守系野党・自由韓国党の関係者は「南北国会間の会談を行うのは、北朝鮮を厳然とした

『正常な国』として認めることにつながる」と指摘した。

 

「北は国家でない」発言が物議 韓国大統領府が釈明

【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は25日、

南北が9月に署名した「板門店宣言の履行に向けた軍事分野合意書」批准問題に絡む「北は国家でない」との

自身の発言が物議を醸していることについて、「北の地位を憲法的な面から判断する次元で申し上げたもの」と

釈明した。
 

 金氏は前日の記者会見で、野党が国会の同意を得ない軍事分野合意書の批准は違憲と主張して

その根拠に憲法60条を挙げたのに対し、「条約締結の主体は国家だが、北は憲法と法律体系に

おいて国家でない」と発言した。北朝鮮との合意や約束は条約でないため憲法が適用されず、

したがって違憲にもあたらないとの趣旨だった。


 金氏はこの日の会見で、「(韓国の)憲法や国家保安法は南北関係を国家対国家の関係と

見なしていない。国連や国際法では北を国と認めている」としながら、「北をどのように

位置づけるかは法的な面で単純なことでない」と述べた。そのために2005年に南北関係発展法を

設け、南北関係を特殊な関係と見なしたとも話した。