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「黄色いベスト運動」にロシア関与か 仏当局が調査

2018-12-16 15:55:21 | IT関連・サイバー攻撃・SNS・ゲーム・5G・ポスト5G

「黄色いベスト運動」にロシア関与か 仏当局が調査

2018 年 12 月 15 日 09:26 JST    THE WALL STREET JOURNAL

 

 【パリ】エマニュエル・マクロン氏が2017年の仏大統領選で有力候補に踊り出ると、ロシア政府が

背後にあるとみられるマクロン陣営へのハッカー攻撃が相次いだ。


 フランスの治安当局は目下、反政府デモ「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)運動」を煽り、偽情報を

拡散したとみられるソーシャルメディア上のやり取りに、ロシア政府が関与していなかったのか

調査している。


 ある仏サイバー防衛当局者は「ロシアの関与が疑われる動きが見られる」とし、「影響を精査している

ところだ」と話した。


 ただ、ロシアの関与を巡り、サイバーセキュリティー専門家の意見は分かれている。


 サイバーセキュリティー会社ニューナレッジ(米テキサス州)のライアン・フォックス氏は、

ツイッターやフェイスブック上で、ロシアが管理している可能性が高いアカウント数百件を確認したとし、

仏反政府デモ に積極的に関与していると指摘する。


 フェイスブックは、組織立った関与の動きを監視しているが、通常の調査で仏デモへのロシアや他の

外国政府による関与を示す証拠は見つかっていないと説明。ツイッターの広報担当はコメントを控えた。


 米政策研究機関「アトランティック・カウンシル」傘下デジタル・フォレンジック研究所の

グラム・ブルッキー所長は、国家主導の関与を示す重大な証拠は確認されていないと話す。

ただ、「ロシア寄りのインフルエンサーやメディア、極右のインフルエンサー、陰謀説の提唱者など、

奇妙なグループの寄り合い所帯が社会不安を強く煽っている兆候が見られる」という。


 ロシア政府のディミトリ・ペスコフ報道官は、仏デモへの関与を否定している。

 黄色いベスト運動の行方は、ロシア政府にも影響を及ぼす。


 2017年の仏大統領選では、親ロシア派のフランソワ・フィオン、マリーヌ・ル・ペンの両候補を破り、

マクロン氏が当選。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとっては予想外の痛手だった。

マクロン氏は国際舞台で、プーチン批判の急先鋒に立つようになる。


 また、匿名のソーシャルメディア・アカウントに加え、フランス国内の親ロシア派の活動家が

デモに参加し、抗議活動の拡大に寄与しているもようだ。


 こうした動きは、欧米の極右の政治活動家をプーチン氏が刺激している構図を浮き彫りにする。

活動家らは、黄色いベスト運動により、マクロン氏の政権を弱体化する、もしくは崩壊させることも

可能だとみている。マクロン氏は北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)といった欧米の制度を

強く支持しているが、プーチン氏はこうした制度を脅威と見なしている。