忙しいお母さんは、昔、子守りの代わりに赤ちゃんにテレビを見せていた。時代は少し進んで、ビデオを見せていた。同じ「101匹ワンちゃん」を毎日、飽きることなく見ていた(見せていた?)。さらに時代は進んで、子守りの代わりは、インターネットになった。さらに、タブレットやスマホのアプリとなった。シートベルトにしばられて泣きじゃくる赤ちゃんもタブレットで映像を見せると即座に静かにり、かなりの時間じっとしている。赤ちゃん用アプリも豊富にあり、絵本と同じようなものから学習用のアプリもあり、飽きさせない工夫が随所にみられる。1歳から2歳にかけてはアンパン系の動画だったが、動物アプリや数字アプリも一人で動かすようになり、さすがI T時代の幼児だと感嘆する。2歳を過ぎてくくると英語の動画やアプリも加わってインターネットに接する時間が長くなってきた。母親は、職場から帰るなり、ひと時もスマホを手放さない。ドライヤーをかけながらスマホをする姿を見ていると唖然とするが、その間、子供にはネットでお気に入りの動画を見せている。
そんなに毎日、タブレットやインターネットに没頭させていていいものだろうかとふと疑問に思う。書店で手にした「スマホ脳」という本の目次に<幼児には向かないタブレット学習>というのを見つけて購入してみた。
スウェーデンでの調査だが、乳児(月齢12カ月まで)の4人に1人がインターネットを使い、2歳児の半数以上が毎日インターネットを使っている。7歳児にほとんどが毎日ネットを使い、11歳は全員が自分のスマホを持っている。ティーンエイジャーは、毎日3~4時間スマホで費やしている。これは、日本でもほとんど同じではないかと思う。驚くべき数値だ。
では、なぜそんなにスマホが魅力的で手放せなくなるのかを著者のアンデシュ・ハンセンは、人間の脳の歴史からわかりやすく説明してくれる。さらにスマホからくるメンタルヘルスへの影響などを精神科医としての切り口で具体的に解説し、さらに、デジタル時代の明快なアドバイスも提示している。残念なのが、乳幼児への影響について詳しく知りたくて読んでみたが、その部分の著述は少なかった。学校でのタブレット学習が話題になっているが、その功罪なども知りたがったが、そこまでの記述はなかった。
とにかく、スマホ依存は、精神的にも肉体的にも、そして生きる時間の無駄さ加減に関しても、あまり喜ばしいことではないことは確かで、みな、心の底で多少ともなんとかしなくてはと思っている、アルコール依存症、ギャンブル依存症、薬物依存症とまでは考えていないけれども。
さて、2歳8ヵ月の幼児にインターネットやスマホ、タブレットから遠ざけるようにしてみた。実に簡単なことであった。一緒に公園で遊んであげ、ボールと遊び、本を読んでやり、白い紙と色鉛筆を用意して見守る、いろいろと話をし、聞いてあげる、一緒に歌を歌う。ネットが見たいなんて一言も言わなかった、当然である。要するに大人が原因なのだ。
「スティーブ・ジョブズは、わが子になぜiPadを触らせなかったか」
・・・・ なるほど!
<主夫の作る夕食>
3色どんぶり作ってみました。炒り卵、結構手間暇かかりますね。でも、美味しかった。(笑)
<思い出の一枚>
バチカン市国