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異例の抜擢
元イエズス会日本管区のメンバー
ルクセンブルグ司教に叙階
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2006年4月1日以来、上智大学の経営母体であることで有名なイエズス会の東京都中野区若宮の司祭養成センター「三木ハイム」で責任者をしていたオロリッシュ・ジャン・クロード神父が、ルクセンブルグの新しい司教に任命された。このニュースは小さなショックを伴って我々仲間の神父の間を駆け抜けた。
日本のイエズス会と言えば、元日本管区長で現総長のニコラス神父に代表されるような、インカルチュレーション路線のイデオロギーの理論的な指導集団と理解されてきた面があり、ケリグマ(福音)の告知をもっぱらとする直接宣教のカリスマの前に立ちはだかる厚い壁のように思われがちだったからだ。もしかすると、アジアだけでなく、今後はヨーロッパにもそのようなイデオロギーが伝播するのではないかと一瞬身を固くした。
しかし、その後伝わってきたニュースや解説はそのような不安を払拭するに充分であった。パリの新求道共同体のカテキスタのジュリアーナの話によると、彼の司教任命の陰にはわれわれの大のお友達であるケルンのマイスナー枢機卿の尽力があったそうだ。ジュリアーナが大喜びしているという事実は、オルリッシュ新司教が新求道共同体に対してきわめて友好的であることを示唆しているのではないだろうか。
この異例の人事が、今後日本の教会に対し、日本の新求道共同体の活動の上に、直接・間接に何らかの影響が現れるか否か、目が離せない。
(おわり)