国連は中国の人権侵害を調査せよ、321団体が要求
9/10(木) 14:02配信
【AFP=時事】321の人権団体や市民社会組織が9日、国連(UN)に対し、中国政府が行っている人権侵害について国際調査を開始し、「断固たる行動」を取るよう要求した。
【関連写真】中国・新疆ウイグル自治区カシュガルで、市内を巡回する警察 321団体は、国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長と国連人権高等弁務官事務局(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官、各加盟国に宛てた共同の公開書簡の中で、「中国政府の人権侵害」に対する国際社会による厳密な調査を要求した。
公開書簡に名を連ねる国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のジョシュア・ローゼンツバイク(Joshua Rosenzweig)氏は、共同声明の中で、「中国当局による内外での人権蹂躙(じゅうりん)を、国際社会はこれ以上座視できず、許してはおけない」と述べた。
321団体は公開書簡の中で、6月に国連の独立専門家ら数十人が国連人権理事会(UN Human Rights Council)に対し、中国国内における基本的自由の抑圧に至急対処するよう求めた前代未聞の呼びかけに言及。
6月の呼びかけは、香港とチベットでの人権侵害、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でイスラム教徒を主とするウイグル人に対する人権侵害、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)下での重大情報の隠蔽(いんぺい)、中国各地における人権活動家やジャーナリスト、弁護士、政府に批判的な人々への攻撃に光を当てた。
321団体は9日、人権活動家の狙い撃ちやインターネット検閲、デジタル監視などに言及し、「中国の人権侵害がもたらす世界的影響」を深く懸念していると強調。国連人権理事会に対し、中国の人権侵害を評価するための特別会議の開催と、「同問題を厳しく監視、分析し、毎年報告する公平で独立した国連機構」の設立を求めている。
中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は公開書簡について問われると、「こうした団体の主張は事実無根で、論ずるに値しない」と答えた。
【翻訳編集】 AFPBB News