あなたの得難い個性について、
わたくしは華麗々々と馬鹿のひとつ覚えみたいに書いてきましたが
華麗な雰囲気のなかにちらりと見せる憂いがちな表情、
これがまた、たまらなくすばらしい。
女性フアンがいちばん惹かれるのは、
華麗さのなかの憂愁さともいうべきものではないでしょうか。
つまり、華麗さが華麗さだけに終わらないように、
あなたの個性のもうひとつの部分である憂愁さが、
すこぶる有効に作用しているんです。
あなた自身は、その辺のところをじゅうぶん自覚しておられるのでしょうか。
自覚した上でわれとわが個性を演出しているところもあるんでしょうか。
いや、あなたにかぎって、わたくしは、そういうことはないように思えます。
あなたの個性的な雰囲気は、作られたものでなく、
からだの最深部からこんこんと湧き出ずる類のものですから―。
そのことは、ふたつの目でしかとあなたのステージを見ていれば、
はっきり理解できようというものです。