Julieが歌いながらステージで魅せてくれるボタンを外す瞬間と
ボウタイをほどく瞬間
そんな何気ない瞬間に
なんで異常なほどに 拘るんだろう
って
頭の片隅に トラウマとなって残っている
幼いころの記憶
母親に着せられていた服を
いつのころからか
自分で服を着る瞬間がやってきて
ひとつの手で
ボタンを留めるときは
どうするの?
って
自分で考えさせられて
蝶々結びの方法も
自分で考えさえられて
幼い子供心に
なんて厳しいんだろ
なんて感じたけれど
小学校に入学したときに
鉛筆と 紐が 用意されて
鉛筆に 紐を
蝶々結びにする方法
みんなと違う方法で
たりない手のかわりは 前歯
松子さんのおかげで
みんなと違う方法だけど
みんなと同じことができて
脳出血で
ひとつしか使えなくなったひとが
お医者さんから 前歯をあんまり使わないようにって
指導されたそうだけど
前歯で果物を噛めないのは
酷使し過ぎちゃったからだったのね
ステージ始まる前に
楽屋で
ステージ衣裳を着る瞬間のJulie
シャツブラウスのパールのボタンを留める瞬間
ボウタイを蝶々結びにする瞬間
客席で
そんなことを想い描きながら
頭の片隅の遠い遠い記憶も蘇っちゃうから
ステージで
ボタンを外す瞬間に
蝶々結びのボウタイをほどく瞬間に
異常なほど 目がすいよせられちゃうのかなぁ
SAYAKAホールでは
シャツブラウスのカフス仕立ての袖口のパールのボタン
あっちから そっちへ 移動する途中で外していたかなぁ