祖父母の仲の良かった記憶とは逆に、両親の方は私が中学1年の頃まではよく喧嘩をしていたものです。
それは、祖母が亡くなってから見られるようになりました。
母にすると一番の憂鬱の種であった姑が居なくなり、家での煩わしさの矛先が父に向かったのかもしれません。
母から祖父の悪口はあまり聞いたことがないので、母も祖父には好感が持てたようです。
両親の喧嘩は夜間私たち姉妹が寝静まったころに始まります。
夜中に起こされることがしばしばありました。
こうしょっちゅう仲が悪く、煩いのなら、いっそ離婚すればよいのに
と、遂に怒った私は思ってしまいました。
それが小6~中1にかけての頃でした。
Gさんと話をした時は、この両親の不仲がまだ記憶に新しい時期でした。
祖父の具合の悪さ、心配事があったせいでしょうか、
中2になる前後の時期、両親の喧嘩は影を潜めていました。
私はこの時期の両親の不仲の事を思い出すと、かつて読んだ小説、
題名は忘れましたが「2人のロッテ」かもしれません。を思い出します。
「世の中の子供は、両親が離婚して困っている子と、両親が離婚しないで困っている子と2種類ある。」&
というような言葉が文中に出て来て、そこまで本を読み進めて来た私は、
その言葉を目にした途端、ハッとして胸を打たれました。
驚くと共に大層共鳴し、この言葉を書いた作者に心酔したものです。
この作家、子供心が酷くよく分かっていると感銘を受けました。
私の場合はもちろん後者でした。
実際ある時の事です。
母は私に、
「お父さんとお母さんが離婚したら嫌よね。」
と言うので、私は即
「ううん。」
と答えました。
すると私の即答と、多分予想外だった私の答えは、母を酷く面食らわせたようでした。
え!っとばかりに驚いていました。
私にすると日頃の2人の喧騒が相当迷惑だったので、
ここぞとばかりに、ちっとも苦にならない、むしろ歓迎すると言ったものです。
そこで母は、尚も片親になってしまうのよと未練がましく言っていましたが、
私はどうしてそこまで我慢するんだろう、こんなに子供に嫌がられてまでと思ったものです。
両親の不仲を見せつけられる子供の方が、よっぽど嫌だとうんざりしていたものです。
口幅ったいことを言うようですが、
親はいくら不仲でも、子供の前で喧嘩はしない
事ですね。
実際、祖父母の仲睦まじさがなければ、両親だけを見ていたならば、
私は結婚したいとか、結婚に対しての夢を持ったりしなかったと思います。
また、離婚に際してあっさりとしていて、子供の感情を深く考慮する事が無かったのは、
自分のこの経験からでした。
子供にとって不仲な親でいたくない、それが大きな理由でした。