月刊「MOE」の9月号に、スタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」が特集されていました。
巻頭で、映画と原作の魅力がクローズアップされています。
心を閉ざした少女、杏奈、喘息を患う彼女は、夏休みの間、空気のきれいな海辺の村へと向かいます。
そこで運命的な出会いが待っていました。
子どもにそっと寄り添う映画を作りたいという監督の米林宏昌さん。
「借りぐらしのアリエッティ」の公開から4年、映画「風立ちぬ」の制作中に、「映画をつくらせてほしい」と直訴、挑戦づくしの第2作になったそうです。
ジブリの長編映画で、高畑勲さんや宮崎駿さんが関わらない作品ははじめてでした。
ジブリ映画の制作に初参加した実写映画で活躍する美術監督の種田陽平さん。
「実写から参加するのだから、アニメ美術では気にしないところも、ちゃんとやろうと思い、例えば、窓には落し金がついていないと止められないとか、鍵のかけ方とか、寒さをしのぐためには二重窓でなければいけないとか、そういうデティールを描くことによって、屋敷全体がリアリティを持つんです」
インタビューでの彼の言葉に感動しました。
舞台は、原作のイギリスから日本の北海道の湿地に替えられています。
息をのむように美しい夕暮れどきの空、1枚1枚全てに思い入れがあり、劇中で、杏奈が描いたマーニーのスケッチも、実は、種田さんが描いたものだそうです。
宮崎駿さんもだいすきだという「思い出のアーニー」の原作者は、イギリスのジョーン・G・ロビンソンさんです。
イラストレーターとしてキャリアをスタートさせた彼女には、愛らしい子どもたちが描かれた絵本やお話もたくさんあります。
長女デボラさんのテディベアを主人公にしたお話も代表作のひとつです。
ロビンソン作品の編集や翻訳を手掛けてきた小宮由さんが、作品中にしのばせている真実やユーモアのなかで、一番印象に残っているという「テディ・ロビンソン木にのぼる」が収録されている「テディ・ロビンソンのたんじょうび」を取り寄せました。
この本のお話はもちろんのこと、ロビンソンさんの描くイラストがとてもすてきでしたので、明日、ご紹介します。