氷の花火 山口小夜子

氷の花火 山口小夜子
'15：日本

◆監督:松本貴子「≒草間彌生　わたし大好き」
◆主演:山口小夜子、高田賢三、ジャン・ポール・ゴルチエ、中尾良宣、セルジュ・ルタンス


◆STORY◆日本にオイルショックによる閉塞感が漂い欧米に倣おうとする欧米コンプレックスに陥っていた1970年代初頭、黒髪に切れ長の目という日本人らしさをたたえた山口小夜子がアジア系初のモデルとして世界の大舞台に躍り出た。山本寛斎や高田賢三、イブ・サンローランら名だたるファッション・デザイナーのミューズとなり、セルジュ・ルタンスや横須賀功光らトップクリエイターにインスピレーションを与え、東洋の神秘と謳われるまでに。やがて演劇やコンテンポラリーダンス、映画にも進出し美意識を追究していくも、2007年に急逝した彼女の実像は謎に包まれたままであった。彼女の関係者たちの証言や彼女が長年専属モデルを務めた資生堂のCM制作秘話、貴重な映像などから、ミステリアスなその姿に迫っていく

黒髪に切れ長の目で世界を魅了し、国際的に活躍した伝説の日本人モデル、山口小夜子さんのドキュメンタリーです。
日本人形の様な漆黒のおかっぱ、切れ長の目を強調したアイメイクが本当に印象にある人だよね。
あとは利休の映画の茶々もやったよね？？

映画は、生前の山口と親しかった松本貴子監督が、彼女を知る人々の証言や過去の貴重な映像を織り交ぜ、ベールに包まれた彼女の人生に迫っている映画でした。すごく愛がこもってましたね。
彼女のクローゼットの中を、今の服飾課の学生が一つ一つ丁寧に箱から出して命を吹きかけていくって感じだったな～
今見てもこの服かわいいとか言ってるのをみてて、やっぱりこの人っておしゃれだったんだな～
って思いました。

とにかく美しい。昔のモデルの時の映像とか、資生堂の映像とか今見ても本当に美しい。
凛として、清楚で、これが日本人の美だろうなって思いました。
モデルの時にみんなその場で着替えるのに、着替えるところ見たことないとか言っておられたのきいて、
恥じらいもある、大和撫子だな～って思いました。
しかし、背もそんなに高くないモデルなのに、この存在感って本当にすごいなって思います。

そして彼女とかかわった方へインタビュー。
この山口小夜子さんにあこがれる人、彼女をトップにのし上げた人、いろんな方のインタビューです。
私はその中でも、カメラマンの下村一喜さんのインタビューかな～
あこがれの人と仕事を一緒にするということ、キャリアを積んだ彼女なんて雲の上の人だったろうけど、
でも、山口小夜子さんという人は、だれという隔てもなく、出会った人すべての人平等に付き合っていたんだろうな～って思ってしまいました。

最後に、モデルの松島花ちゃんを彼女にかかわったカメラマン、デザイナー、そしてメイクさんが小夜子さんが結束して、小夜子さんを作り上げたとき、写真をとっていくにつれて最後は、乗り移ったかのようになった瞬間は、なんかみんなと一緒にぽろっと泣けました。みんな、小夜子さんに会いたいってみんなが思ったんだろうな～

Ｎａｋａｊｉの満足度　★★★★（４．０）　５／１８　　劇場鑑賞　３１　作

	山口小夜子　未来を着る人
	東京都現代美術館編
	河出書房新社

	ピストルオペラ [レンタル落ち]
	江角マキコ,山口小夜子,韓英恵,永瀬正敏,樹木希林
	メーカー情報なし