『ヘヴン』著/川上 未映子
「わたしたちは仲間です」……4月のある日、14歳の「僕」に届いた一枚のメモ。僕の斜視を「ロンパリ」と嗤い、日常的に暴力をふるう「彼ら」が見つけた新しい遊びかと塞ぐ僕の前に現れたのは、クラスメートの「コジマ」だった。彼女もまた、外見を不潔と罵られ、女子生徒から日常的に苛められていた。ひそやかに不器用に始まったコジマとの交流は、やがて、陰鬱でしかなかった僕の「世界」に輝きを与えていく。僕の世界に明るい面をくれたコジマとの友情は、永遠に続くはずだった。もし彼らが、僕たちを放っておいてくれたなら――。なぜ彼らは僕を苛めるのだろう。人はなぜ理由もなく人を傷つけられるのだろう。善と悪を分かつものは何なのか。人は何のために生きるのか――僕の悲痛な問いが胸を打ち、涙がとめどなく流れる、魂を揺さぶる感動作
「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」
この物語を読んでいて怖いって思ってしまった。
百瀬の主張を聞いていてさあ、今の子達のいじめってこんなことなんだろうなって思った。
いじめられているほうは、いろんな原因を考える。 自分が他人と違うところ。。
そして主人公は、自分の目が原因でいじめられているのだと思う。
でも彼はいわれるんだよね~・・・
「斜視が原因ではない。」って
なぜ彼らは僕を苛めるのだろう。人はなぜ理由もなく人を傷つけられるのだろう。
いじめる生徒は単なる欲求で動いている。
彼、彼女をいじめたかったわけじゃない、たまたまそこにいたのが彼らだったから。。。
彼が百瀬に訴えた言葉が本当になんともいえず泣けたな~
そしてこの世界が怖いって思った。
誰にでもおこりえる世界だし、そして絶望になる。。。
これから先、この子達の未来にはあかるい題材がまっているのだろうか。。。
ラストの彼の目の前に広がる美しい景色が、とてもせつなくて、
悲しくてなんともいえない気持ちになったわ。
ヘヴン | |
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