アメリカン・スナイパー
'14:米
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◆原題:AMERICAN SNIPER
◆監督:クリント・イーストウッド「ジャージー・ボーイズ」「グラン・トリノ」
◆出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、キーア・オドネル、カイル・ガルナー、ベン・リード、エリース・ロバートソン、コリー・ハードリクト、サミー・シーク、ミド・ハマダ
◆STORY◆米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊し、イラク戦争に狙撃手として派遣されたクリス(ブラッドリー・クーパー)。その任務は“どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること”。狙撃精度の高さで多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるまでになる。しかし、敵の間にもその腕前が知れ渡り、“悪魔”と恐れられるようになった彼の首には18万ドルの賞金が掛けられ、彼自身が標的となってしまう。一方、家族はクリスの無事を願い続けていた。家族との平穏な生活と、想像を絶する極限状況の戦地。愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせる。過酷なイラク遠征は4度。度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでゆく……
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめていきます。
本当にクリント・イーストウッド監督の作品に間違いはないって言いたくなるくらい、
すごい映画みたな~って感じになった。
イラク戦争の過酷な現実を生きたネイビー・シールズ隊員、クリス・カイルの物語です。
映像から現場の空気がわかります。砂嵐、戦場のざらついた風、そして乾いた土地。
なんかこんなところでこの人たちは戦っていたのかって思った。
このクリス・カイルが初めてうったのは、爆弾をもった子供であり、そのお母さんだったんだよね。
こんな子供でもって思いながらも見てました。
アメリカ側からすれば自分たちを殺しにくる敵であり子供や女性なんかじゃないんだよね。
それにアメリカが常に守っているってわけではないって思ったのは、
あの密告したイラクの家族。お父さんは殺され、子供はドリルで殺され、
こんな残虐なことなんでできるんだろうって。でも残された家族からしたら、
あなたたちのせいでってことになるだろうな~って思った。
アメリカはこういった家族を保護してあげないとダメだよね。
映画は、何回目の派遣って感じで時が流れていきます。
彼はどんどん彼は出世していくし、そして英雄化される。
片足しかない帰還兵にも守ってくれてありがとうと言われるくらい、本当に彼は伝説の英雄だった。
でもその一方で本人はPTSDに悩まされているんだよね。
こんなに強い精神を持った人でも戦場をみて帰ってきたら、PTSDに悩まされるんだから、
戦場って本当に地獄のようなものなんだろうなって本当に思ってしまいました。
でも一方では、敵からは「悪魔」と恐れられ懸賞金までかけられていく。
だからより慎重になり、常に自分で自分の身を守ろうと緊張し、
そして誰が味方なのか、誰が敵なのかもわからなくなっているんだろうな~
自分が穏やかに過ごせれる家族の中にいても、彼の神経は穏やかになることなんてないんだよな~
でもそこまでして、どうして戦場にいくのか・・・
仲間をやられた報復のため?何を正当化するつもりだったんだろう・・・
人を殺した事実を正当化するために正義を持ち出しては人を殺していく。
その繰り返しの毎日を送っていれば、心が壊れていくに決まってるって思いました。
彼は自分の中での報復が終わった後、普通の生活に戻ろうとするんだけど、
結局は、PTSDに悩まされるんだよな~
そして彼のラストもこの病気がかかわってくることになるんだよね。
ブラッドリー・クーパーが本当によかった!
精神も肉体も強いアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーを演じ切っていたし、
どんどん精神が蝕まれていく姿もわかるくらいだった。己を限界まで追い込むほどの気迫が伝わってきたよ。
この戦争って本当にアメリカにとって何をもたらしたんだろう・・・
多くの人を失い、戻ってきた兵士はつらい思いを今でもしていて、
そしてまだ世界には仕返しの仕返しが繰り返されているんだよね。
ラストの英雄の死を悼む最後の映像と無音のエンドロールには本当にやられました。
この戦争が何十年たった今、何を意味しているのか、ちゃんと考えれって言われてるような気がしました。
Nakajiの満足度 ★★★★★(5.0) 2/28 劇場鑑賞 17 作
アメリカン・スナイパー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) | |
田口俊樹・他 | |
早川書房 |
アメリカン・スナイパー | |
田口 俊樹・他 | |
早川書房 |
PTSDを扱った戦争作品は色々あると思いますが、本作もまたその代表的な作品の一つになりそうですね。クリス・カイルの視点を通して戦場の過酷さが人に与える影響などをとてもリアルに描いていたと思いますし、クリスの私生活を見ましても彼自身相当の重症だったのを思わせる様々な描写が、見ててとても辛かったです。
あと無音のエンドロールはイーストウッド監督の哀悼の意を感じますね。ちょっと虚しくはなるものの、とても印象に残る終わり方です。
そうそう、なんか戦争映画の中でもとっても印象的な作品になっていました。なんかつらかったですね~
あの現実を見せられると、英雄している彼をみててもなんか切なかったです。
イーストウッドすごいですね。
目障りなものを仕立てあげて攻撃していく。フセインを殺したことから今の泥沼が始まったんですから。
9.11ももとをただせば、アメリカの中東介入からですし、一番可哀そうなのはPTSDになってしまった兵士たちでは?
なんて思って作品でした。
こちらからもTBお願いします。
>アメリカって、経済的にも敵を作っていないと成り立たない国なんでしょうね。
本当にそう思います。そうやって勝ち続けることで強い国って感じなんでしょうね。
この兵士たちが本当に一番かわいそうって感じました。