令和元年9月7日に神奈川県横浜市中区の社会福祉センターで
公益社団法人日本吟道学院神奈川山梨地区秋祭り吟道大会が開催されました。
今回紹介します吟詠は、修神会 指方順龍「方丈記より」です。
精一杯 「方丈記より 鴨長明」を独吟しました。お聴き下さい。
方丈記より 鴨長明
ゆく川の流は絶えずして しかも もとの水にあらず
淀みに浮かぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくと どまりたる例なし
知らず 生まれ死ぬる人 いづ方より来たりて いづ方へか去る
また知らず 仮の宿り 誰がためにか 心をなやまし
何によりてか 目を喜ばしむる そのあるじと住家と 無常を争ひ去るさま
いわば 朝顔の露に異ならず
あるいは露落ちて 花のこれり 残るといへども 朝日に枯れぬ
あるいは花しぼみて 露なほ消えず 消えずと雖も ゆふべをまつことなし
詩のこころ(吟道範典より転記)
鴨長明の書いた随筆文学。鎌倉時代の初め、建暦二年(1212年)に出来た。
平安の終りから鎌倉初期にかけて、各地で戦乱が相次ぎ、天変地異がおこりました。
長明は仏教思想に基づき、無常観によって、世のありさまを描きました。
方丈記は枕草子と並んでわが国古典の随筆文学の双璧といわれます。
上記はその巻頭の一節。文章の流暢さと、人生のはかなさと、古来名文として
多くの人に愛唱されてきました。
ご静聴いただき有り難うございました。