平成28年10月22日に神奈川県横浜市青葉区の青葉公会堂で
公益社団法人日本吟道学院公認 修神会(会長井上邦神)秋季吟道大会が開催されました。
今回、私はいくつかの吟声を録音しました。その吟の様子を数回連載でお送りします。
次にプログラム番号75番目に登場した
「事に感ず」(干墳作) 吟者 市ヶ尾教場 大村喜龍さんです。
1.詩文は以下の通りです。
『事に感ず 于濆(うふん)(唐)作
花 開けば 蝶 枝に満つ
花 謝(しゃ)すれば 蝶 還(また) 稀(まれ)なり
惟(ただ) 旧巣(きゅうそう)の 燕有り
主人 貧しきも 亦(また) 帰る
2.詩のこころは、吟道範典によりますと、次の通りです。
晩唐の詩人・干墳は一判官で生涯を終えましたが、その詩作の姿勢は真摯なまでの革新尾の気概で貫かれていました。
花と蝶と燕に世情の機微を見通す作者の目の確かさ。さりげない表現の中に、ていたらくで日和見な人心を鋭く風刺した
詩風は同じジャンルの杜甫の詩「貧行交」とは趣を異にしています。
なお、花、蝶及び燕は次の比喩で使われています。花は富貴権勢を誇っている人のたとえ、
蝶は短小軽薄な徒をさし、燕は散ること・没落することです。
私たちはこれからも詩吟の世界を探究していくつもりです。
皆様からの批評をお待ちしております。
大村さんからの自己PR及び感想です。
『詩の心は、一週間前11月12日、平原さんが独吟「事に感ず」ブログでも述べられています様に、
「花は富貴権勢で、蝶は軽薄で、燕は去年の古巣を忘れないで戻ってくる」、という世の中を風刺した詩ですネ。
私(大村喜龍)は、このブログで3回ほど吟じています。
①本年H28年6月4日修神会春季吟道大会「吟題 江雪」
http://blog.goo.ne.jp/junsashikata/e/ca535b9528eba14a737981ad8c4edaef
②昨年H27年11月7日修神会創立50周年記念大会「合吟 鐘山即事」
http://blog.goo.ne.jp/junsashikata/d/20151107
③昨年H27年4月30日修神会秋季大会「吟題 なずな」
http://blog.goo.ne.jp/junsashikata/e/e34c17e0ad1cc20cbd11db2e72011925
合わせてご訪問頂き、お楽しみ下さいませ。
最後まで、お聴き頂きありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます